わんわん電鉄

好きな音楽は、鉄道の路線網のように広がっていくものだと思う

【感想】aiko『かばん』


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この曲は、2004年にリリースされた、aikoさんの15枚目のシングルです。私は、この曲がTBSの『カバン持ちさせてください!』のオープニングで流れているのを聴いて、この曲を知りました。サビのメロディーが美しくて、一瞬で聞き惚れました。

 

 

 

私は、この曲のメロディーに一目惚れし、じっくりと聴いていくうちに、歌詞のかわいさ、すなわち、片思いする女性の繊細な感情が丁寧に描かれているところに惹かれていきました。よく歌詞を読んでみると、本当に切ないですし、「どうして、感情をこんなにも的確に言語化できるんだろう!?」と驚きます。

 

そういうわけで、今回は、『かばん』の歌詞の素晴らしさについて、ただただ語りたいと思います。歌詞の意味は、詳しく書かずとも、もうおわかりですね、片思い中の女性の感情を表現しています。

 

 

・・・・・・

 

 

まずは、曲の冒頭のこのフレーズです。

そのまんまのあなたの 立ってる姿とか

声とか仕草に 鼻の奥がツーンとなる

好きな人であれば、特段かっこつけたことをしていなくても、そのありのままの姿でそこに在るだけで、キュンとしてしまう、ということだと思います。

そして、そのキュンとする気持ちが、「鼻の奥がツーンとなる」と表現されている(と思う)のですが、この表現がなんとも秀逸であると感じます。これは、この曲の主人公が好きな「あなた」を見て、好きすぎて胸がいっぱいになって、泣きそうにすらなっているということを表しているのでしょう。あるいは、「あなた」をみて主人公は、胸がいっぱいになりすぎたがゆえに、大きく息をすいこみすぎて、風が鼻の奥をツンとさせているということなのかもしれません。

 

 

こういうことを書くとaikoさんファンの方に怒られてしまいそうなのですが、私は、この「鼻の奥がツーンとなる」の部分を、"鼻の奥がつるとんたん"と聞き取っていて、「?」となっていました。申し訳ございません。

 

 

つぎに、サビのこの歌詞です。

大きな鞄にもこの胸にも収まらないんじゃない?

恥ずかしい程考えている あなたのこと

あの日から ずっとあなたの事が好きだったんだよ

知らなくたっていいけれど 本当は知って欲しいけど

印象的なサビの入りのメロディーに、「おおきな~」という印象的な言葉がのっていて、グッと心を掴まれるサビです・・・。

片思いしている人は、この歌詞にやられまくりですね。「あなた」のことを「恥ずかしい程考えている」といえるくらい、この気持ちが大きなものになっているということ・・・そして、この気持ちを知って欲しい!と素直にいえず、「けれど」「けど」という逆説の接続詞を連続して使用しているところから感じ取れる、気持ちを伝えたいという欲求と臆病な気持ちとが絡み合うもどかしさ・・・ああ、分かりみが深いです。

 

 

個人的にすごいなと思ったのは、「恥ずかしい程」という語です。「あなた」は、自分のことをどう思っているか分からないうえに、「あなた」は、自分のことを一ミリも考えてすらいない可能性があるなかで、自分ばかりが「あなた」のことばかり考えている状態は、まさに惚れたら負け、みたいなもので、なんだか情けないし、どこか恥ずかしい気すらしてきませんか?私なんかは、まさにこういう感覚を抱きがちなので、めっっっちゃよくわかります・・・。

 

 

 

そして、最後に私が一番この曲のなかで好きな歌詞です。

あたし あなたと知り合うまで

何をして生きて来たんだろうか?

忘れてしまいそうな位

好きだと思える人に出会えてからの日々は、その人のことを四六時中考えてしまっているからこそ、出会うまでの、それまでの日々とは全く異なるものであると感じられること、ということを表現していると思うのですが、このことを的確に、そして、鮮明に表現しているこのフレーズは、本当に天才的だと思います。

 

「何をして生きてきたんだろうか」ですからね・・・。何をしてきたんだろうか、ではなく、「生きて」という語を使うということは、この曲の主人公にとっての「あなた」が、もはや生きることに必要不可欠なレベルにまで大きくなっているということかと思います。

 

 

私自身、好きな人ができると、まさにこうなってしまうタイプの人間のようで、好きな人のことで頭がいっぱいになってしまいます笑。それゆえに、それまでは本当に何をして生きてきたんだろう?と分からなくなってしまうくらい、これまでやっていたことが手につかなくなったり、また、それまで熱中してきたことに興味が無くなってしまったりしてしまいます。さらに、これは私だけかもしれませんが、そういった人と出会う前の写真フォルダなどを見返してみると、「このときの自分、一体どうやって生きてきたんだ!?今となっては、好きな人の存在なしには今の生活を考えられないぞ!」などと思ってしまい、不思議な感覚になります。

 

 

 

・・・・・・

 

 

aikoさんは、恋する女性の感情の機微を鮮やかに言語化してくださるアーティストで、本当に素晴らしいなと思います。

片思いの、好きな人で頭がいっぱいになってしまう期間というのは、恥ずかしくも、幸せな時間であると思います。この『かばん』という曲を聴いていると、恋をしていても、していなくても、そんな甘酸っぱい気持ちになってしまいます。

「マイラバ」と人生の循環

こんにちは。わんわん電鉄です。

 

この3月は、"特別な"十数日間を過ごしてきました。とある目的のために、一生懸命日々を過ごしてきました。

先日、その特別な十数日間が終わりを迎え、今はまた、「次々襲いくる普通の日々」(トーチ/BUMP OF CHICKEN)に順応しようと頑張っています。

 

 

そんな特別な十数日間には、なぜだかよくわかりませんが(ドラマ『ブラッシュアップライフ』の影響ではありませんよ〜)、毎日My Little Loverの曲を聴いていました。私にとってマイラバといえば、物心ついた頃の思い出のアーティストであり、また、私の音楽の原点となっているアーティストです。

 

 

ほんとうに小さい頃、家のテレビにマイラバの『clips』というMV集がよく流れていて、『Man & Woman』については、何度観たかわからないくらいです(そして、どんな構成だったかも、何十年かぶりに観てもめちゃくちゃ覚えていたので、自分でも驚きました)。


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私にとって音楽的原点であるマイラバと過ごした十数日間は、ある意味で私の今の人生におけるターニングポイントになったのではないかと思っています。

 

 

以下、個人的な思いで語りです。

マイラバの音楽に再会する直前は、なんというんですかね、それまでいろいろと行き詰まっていたがために、自分の人生のなかでケリをつけられていない部分を消化しようとしていました。実は、私は、高校入学から今に至るまでのざっくり約10年間、思い残したことというのがかなりあって、それらが今の自分の胸を苦しめているという感じが強くありました。だからこそ、今更ながら思い残したことをどうにかして解消して、過去の自分が今の自分に持ち込んでいる「わだかまり」のようなものを無くそうとしていました。

 

 

今となってはーもっとも、自分なりに「わだかまり」を無くしてから1ヶ月も経っていませんがー、過去の自分が今の自分に残してきた未練とやらが、きれいさっぱりと無くなったと感じています。先ほど挙げた「わだかまり」とは、2つのこと、すなわち、中学時代に好きだった先輩のこと、そして、大学時代に好きになった人のことだったのですが、この2つの件について、いまとなっては、「あれ?どうしてこれまでこんなにそれらのことで悩んでいたんだろう?」と思えてしまうくらい、すっきりしてしまいました。

 

 

 

人間とは、不思議なものです。

あんなに、何年ものあいだ囚われていたことから、すっかり解放されてしまうこともあるのです。

自分がケリをつけるためにとった行動自体も、そのような結果を導く要因となったとは思いますが、ここまで精神的に清算できるとは・・・私自身も驚いています。

 

 

 

自分の行動と、この十数日間によって、きれいさっぱり、過去のつらさが流されたのでしょう。

また新しい自分へ向けて、過去の自分をリセットできたように感じています。

その感覚を象徴するのが、「マイラバ」の曲たちです。

先ほど書いたように、私にとって、マイラバの曲は、音楽の原点となっているものです。これを踏まえると、私は今、またなんらかの「原点」に戻りつつあるのではないかと思うのです。人生の循環を感じています。

 

こうして、十年近く抱えてきた「わだかまり」をなんとか自分の力で解消できたと思えたあとに、私の音楽の原点であり、いってしまえば、人生の原点であるマイラバの音楽に再会できたことには、私にとって大きな意味があると思っています。

 

 

そういうわけで、いまだかつてないほどの清々しさを以て今年の春を迎えられそうだなと感じています!

ファン歴10年にして藤巻亮太さんに沼りつつある

こんにちは。わんわん電鉄です。

 

私は、レミオロメン藤巻亮太さん(ソロ)のファンになってから、通算して10年になります。その10年間、楽曲に対するファンだったのですが…そのときは、突然訪れました。

 

藤巻亮太さんに沼ってしまったあぁ〜

 

正直なところ、私は、レミオ、そして藤巻さんについては、よくわからないまま、いつのまにかファンになっていた人間なんです。そもそも、バンドが何人編成で、どういう人たちがやっていてということすら知らず、ただCDから流れてくる音楽そのものを好きになったことがきっかけでファンになりました。

 

 

どんなバンドメンバーかということを知ったときも、

前田さんには、親しみのある感じ

宮司さんには、イケメンさんだという感じ

藤巻さんには、黒目大きいな〜という感じ

といった印象を得たくらいでした。もちろん、かっこいい!とは思うのですが、私の好きになるタイプとは少し違っていたので、『ウッ……(倒れ込む)……しゅき……』みたいになることは、ありませんでした。

ちなみに、私が好きになるタイプというのは、田中樹さんや、高橋一生さん、滝藤賢一さんといった、キリッとした目の形で、涙袋が豊かな方々です。また、猫目な感じの男性、すなわち、草野マサムネさんや堂島孝平さんも好きです(どうでもいい情報をすみません)。

 

 

最初のきっかけ

おそらく、今年の『Sunshine』リリース記念のオンラインサイン会が最初のきっかけになったと思います。

書いていただいたサインを横のカメラに見せる場面がありました。その際のカメラ目線(上目遣いみたいな目!)、そして手に持っていただいているのは、私の名前が書かれたサイン……!!!

 

単純な人間です。コロッと。

胸がじんわりと熱くなりました。

うわ〜好きだ…、となりました。

 

いやぁもう、名前を呼んでいただけただけで飛び上がるほどに嬉しかったんです。なんやかんやいって、10年近く推してるアーティストに呼んでいただけたのですから。前アルバム『北極星』のお渡しイベントに参加することを、受験勉強のために泣く泣く諦めたものですから。

 

名前呼びに加えて、カメラ目線!!その「ありがとうございます」は、サインの宛名の人物、すなわち、私に向けられたものであるわけですよ!!!藤巻さん、すき!こちらこそ、ありがとう!!圧倒的感謝!!!

藤巻さんの優しさと可愛さ(40代になって、ますます可愛さが増している)に、心奪われたのです・・・。

 

皆さん、私と同様、きっと画面の前で悶絶されたことでしょう…。

 

時間内に全員分を呼んで、書こうとしてくださった藤巻さんの男気に惚れました。

 

 

これぞ、"the final blow"

ファン歴通算10年にして、藤巻さんに対する今まで以上の「好き!!」を抱えて迎えた、1月24日のインスタライブで、トドメの一撃を喰らいました。

 

『変態』と言われること覚悟で、素直に書きます。

筋肉の話は、やばい。かっこよさ通り越して、エロい。妄想してしまうよ…

ニッパーくんとのやりとりがかわいい、かわいすぎる(私は犬好きだからなおさら)

最後のウインク、可愛すぎない…え!?なにこれ!かわ……愛お死…(愛おしすぎて死にそうになること)

ふわふわの髪の毛、かわいい…似合ってる……(長髪もかなり好きだったけど、このもっさりした髪型が好き…)

やばかったです。萌えポイントばかりでした。

 

 

インスタライブが終わったあと、スマホ片手に倒れ込んでいたのですが(客観的に見たら、まじで気持ち悪いですね)、心のなかでは、『すきーーーー!!尊い~~~~かわいすぎるう!』という気持ちが破裂しそうになっていました。

 

 

正直なところ、自分でも困惑しているんです…まじで自分がキモいし(変態すぎて)、今まで藤巻さんに対して、こんなにも強烈な感情を抱いたことがなかったものですから…。昔、高一の頃にもう一度ファンになった頃には、『ether』の頃のアンニュイな藤巻さんがたまらなく好き、という感情はありましたが…。

 

 

しかし、困惑する必要もないのかもしれません。というのも、推しがほとんどアラフォー、アラフィフであり、彼らのその年ならではの魅力を感じていたからです。(アラサー、アラ還の推しもいますよ!!幅広い世代の芸能人に興味があります。)

 

アラフォーになると、20代の頃とはまた雰囲気が変わってくると思うのですが、アラフォーだからこそ、"大人の色気"や"大人の魅力"が出てくると思います。

さらにそこから、私は、アラフォーになること、もとい、歳を重ねることによって、特別な魅力が出てくると思います。それは、複雑に塗り重ねられた色から好きな色を見つけるように、歳を重ねて様々な魅力をもつようになった人から、自分が最初に好きになった頃の、「好き」の原点の姿はもちろん、色々な側面を見いだせることができるという魅力です。若い頃は、「かっこよさ」が前面に出ていた人が、年とともに、「かわいさ」「愛おしさ」「はかなさ」をも兼ね備えるようになる・・・そんな人物は、ますます魅力的ですよね!

 

 

藤巻さんについていえば、若い頃(とくに『粉雪』のころ)は、黒目がきゅるんとした中性的な魅力と色気が前面に出ていたと思うのですが、年を重ねて、そのような魅力に加えて、かわいさ、親しみやすさ、おとこくささ(←こういうことを言ってもいいのか悩みましたが、ファンクラブ名が「ますらを」であるくらいですから、良いですかね?)といった魅力が加わってきたと感じています。これからの藤巻さんをみるのもまた、楽しみです。

 

 

沼ったきっかけはそれだけではない・・・?

ここまで、藤巻さんのルックスの魅力に(今更)気づいてしまい、沼ってしまったと書きました。しかし、沼るきっかけは、ルックスの良さに気づくよりも前に、ひっそりと私の心の中に存在していたのかもしれません。

 

 

それは、藤巻さんが哲学や思想に通じていると知ったことです。

2020年くらいに、この記事を読んで、『藤巻さんすごい!』と思ったのです。

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もともと私は、大学での専攻分野とは少しずれるものの、哲学や西洋政治思想といった、いわゆる「古典」というものに非常に関心があり、ちょこちょこ趣味的に読んでいました(政治思想史の授業も履修していました)。私が初めて手にしたそのような本は、プラトンの『ゴルギアス』(加来 彰俊訳、岩波文庫、1967年)でした。

(この藤巻さんの記事を見たのか、大学のゼミの先生からプラトンつながりで『国家』を勧められ、上下巻買ったのですが…積読中です、情けない笑。上下巻なので、ついつい後回しにして、新しく買った本を読んでしまうのです。)

 

 

哲学や思想といったものについて、好きなアーティストが、その人なりに考察して、紹介して、さらには、それを自分のエピソードと絡めている・・・その一連の思考がまとめられた記事を読むことができるのが、嬉しくてたまりませんでした。個人的に、プラトンは、読みづらいと思っていたので、あの『国家』から、こんなにもわかりやすく、大切なところを抽出できる藤巻さんは、やはりすごいなぁと思ったのです(「ソクラテスとポレマルコスの対話にイライラしてついに我慢できず、キレ気味に突如参戦してくる」という、藤巻さんの視点での解説が好きですね)。

 

 

他に私が好きな記事を挙げてみます。

まず、カフカの『掟の門』を取り上げた記事です。

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この藤巻さんならではの視点で、カフカの当該作品を解釈しているのが、非常に面白くて、この記事は、何度も読み返しました。『掟の門』については、私は、昔、好きな人に勧めてもらって読んだことがあります。その人曰く、岩波文庫の『カフカ短編集』は、星新一ショートショートが好きなタイプの人におすすめできる本だそうです(私は、星新一が大好きです)。

 

 

パラレルワールド」「並行宇宙」という言葉がある。ある世界や時空からは分岐して、それに並行して存在する別の世界や時空のことを指す。専門的なことはわからないが、たとえば、朝起きて、ご飯にするか、パンにするか、玄関を出て、右にいくか、左にいくか、それぞれ別の未来が存在するのかもしれない。あるいは、選択の連続の分だけ無限の宇宙が存在しており、違う宇宙では、違った生き方をしているのかもしれない。だが、僕自身が普段意識しているのは、ひとつの宇宙を生きていることだけだ。こんな考え方は奇妙奇天烈なのだろうか・・・・・・。

記事の冒頭で、書かれている内容です。

この藤巻さんの「意識」について、私自身も似たようなことをかなり前に意識していたことがあったので、同じことを考えていた人がいたんだ!と思い、非常に興味深く感じています。

「好書好日」の連載記事には、楽曲には直接に現れることのない、藤巻さんのなかの「意識」や「感覚」といったものが書かれていることが多いのですが、それに共感したり、あるいは、『そうなんだ~』とそこから新たな知見を得たりしています。それがとにかく楽しくて、ついつい何度も読んでしまいます。

 

 

 

次に、西田幾多郎の『善の研究』を取り上げた記事です。

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藤巻さんが『善の研究』を理解するために行った努力が、この記事に掲載されている写真にギュッと詰まっていて、私はそれを見て、胸を打たれました。この写真を見た時に、「この人が好きだ・・・」と思ったのをよく覚えています。

まずは一度とにかく通読した。2度目は図書館にこもり、わからない言葉や、わからない概念などは辞書をひきながら、自分なりにこうではないかと解釈したことを付箋に書き込み、それを張り付けながら読み進めた。通算で何度読み返したかわからない。そして、その後、大学の先生や作家などが集まって『善の研究』を議論する場にも運よく飛び込みで参加させてもらうなどわかろうと努力はした。

この熱量がすごすぎます。尊敬します。そして、いつかその藤巻さんならではの「解釈」を、是非ひとつひとつ教えてもらいたいなぁ・・・と思っています(そんな機会は来ないでしょうけれども苦笑。しかし、来ない未来のためであれ、この本に対する理解を深めたいです)。

 

 

この記事については、自分なりの解釈と、藤巻さんの解釈とを比べて、その違いを理解したり、自分の理解の誤りを正したりするのが非常に楽しかったです。

すなわち、この記事で、『善の研究』の1ページ目の書き出しにある「純粋経験」が引用されています。まずは、藤巻さんの解釈を読むことなく、自分なりの解釈を考え、続きの「さて、冒頭の話に戻るが・・・・・・」のところを読んでみたのですが、そうしたら、全く意味がわかりませんでした。そこで、藤巻さんの解釈を"答え合わせ"的に読んでみたうえで、「さて・・・・・・」のところをもう一度読んでみたら、心の奥深いところからの"なるほど!"がありました。自分のなかでの話ではありますが、好きなアーティストと、同じ素材について、解釈を共有しているような気持ちになり、すごく嬉しくなります。そして、それがまた、自分の学びの原動力の一要素となっているので、非常にありがたいです。

 

 

そういうわけで、私は、藤巻さんの哲学・思想に通じているところが非常に好きです。もともと、レミオロメン時代の曲の歌詞に、他のアーティストの曲にはないような、内省的かつ哲学的な側面を感じていたのですが、この記事を読むようになって、その感覚に確信を得るようになりましたし、そういった曲にさらなる魅力を感じるようになりました。これからも、藤巻さんの「好書好日」の記事の更新が楽しみです。

 

 

もちろん、これからの藤巻さんの音楽もとても楽しみにしています。

超個人的に希望しているのは、まだ音源化されていない曲のリリースです。私がまだソロの活動を追いかけていなかった頃(2012年から2015年ころ)にリリースされた曲に、非常に関心があります。本当に聴いてみたいです。

とりわけ、ファンをざわつかせた『死にたいくらい』は、心の底から聴いてみたいと思っています。

そして、新曲群の中でも特に強調したいのが、この後披露した「死にたいくらい」に見る藤巻の覚醒ぶりである。歌詞の面では、例えば“乳房”など、以前ならば選ばなかったであろう言葉を大胆に用い、より“生”の深層に迫る表現に挑戦。鬼気迫るほど切実な様子で歌い、心に強く揺さぶりを掛けて来るのだ。歌い終えてのMCで、藤巻は、この歌詞はアフリカ滞在の最後の数日間に降りて来たと明かした。

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高校時代、もう一度聴き始めた頃、SNSで『死にたいくらい』の歌詞の一部を見かけて、『藤巻さんがかなり踏み込んだ歌詞を書いている!?!?うそ~~~ん!?』と気が動転したものです(そういえば、『回復魔法』を初めて聴いたときにも、かなりの衝撃を受けました)。

表現手法のひとつとしてそういった要素を取り入れると、ぐーんと表現できる内容が広がりますよね。また新たな藤巻さんの歌詞の魅力が見いだせるのではないかと思うので、曲の全貌がとても気になります。

とはいえ、曲を作ったときの問題意識と、今の問題意識とが異なれば、わざわざ音源化してリリースするのは難しいのでしょう。いつか聴ければいいな〜という思いで、待つことにします!

 

 

(個人的に、そういった要素をもつ藤巻さんの曲を色々と聴いてみたいです。

高校時代からn年間追いかけてみてわかったことは、どうやら藤巻さんの言動には、人々に情欲を連想させるようなものがあるようだ、ということです。私も、連想させられる側の一人なわけですが、そういった側面が藤巻さんにもかなりあるというのことがわかり、さらに藤巻さんのファンになりました(え?)。だからこそ、そういった側面が強く生かされた曲も聴いてみたいなぁ…と思っています。まぁ…もともと、私の音楽の好みの一つとして、、、これ以上は記事にできませんね(笑))

 

 

 

(超余談)私が好きな藤巻さんの髪型

超余談として、私が好きな藤巻さんの髪型について、書いてみます。

私自身、髪型にかなりこだわりをもつタイプの人で、自分の髪型に対してのみならず、男性一般の髪型にも好みやこだわりがあります。そのため、好きなアーティストや芸能人の髪型は、ついつい注目してしまいます。

 

藤巻さんの場合、私は、もっさりしたひし形シルエットで、前髪は重ための感じが好きです。襟足も長めで、正面から少し見えているくらいが好きです。

長髪も好きなんですけどねぇ~特に、「SPECIAL LIVE 2022」のころの髪型なんて、たまらなく好きですね・・・色気が半端ないですよね。実際、長髪の男性(知人)を、昨年、初めて直接みたのですが、歩くたびにパーマがかかっている毛先がふわっふわっと揺れていて、本当に色っぽかったです。きっと、藤巻さんもそういった感じで、ふわっとした色気をふりまきながら歩かれていたことでしょう。

長髪か、重ためのすっきりか、悩ましいですが、私は、後者を推します!

 

 

最後に、私が好きな藤巻さんの写真をご紹介します。

 

まず、アルバム『北極星』リリース時のインタビュー写真です。

髪型もステキなんですが、青のブルゾンがよく似合っていますよね。笑顔もステキで、すごく好きです。

natalie.mu

 

つぎに、東京オリンピック聖火リレーの際の写真です。ちょっとまるっとした感じのシルエットの髪型がたまらないです・・・かわいいですよね!

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あんまり、あれやこれや書くと、ただの公開変態ラブレターみたいになってしまうので、ここまでにしておきます笑

過去の経験を踏まえて(=中学時代に某バンドの某ギタリストにめちゃくちゃ「お熱」だったこと)、同じ轍を踏むことのないよう(=痛々しくて暑苦しいファンになること)、理性的に推していきたいと思います笑

藤巻亮太『Sunshine』感想とレビュー

こんにちは。わんわん電鉄です。

 

 

今回は、1月25日にリリースされた藤巻亮太さんの新アルバム『Sunshine』について、私なりの感想とレビューを書いてみたいと思います。

 


まず最初に、アルバム全体の感想を申しますと、
音楽的には、レミオ初期の雰囲気が良い感じにブラッシュアップされて、良いエッセンスとして活きている

音が細やかに敷き詰められている感じがすごく心地良い
という感じがします。

 


歌詞的には、全体的に明るいものが多いのですが、それが空元気というわけではなく、悩み、考え抜かれた末にたどり着いたものであり、それゆえに深さや厚みがある
という感じがします。

 

 

初めて全12曲を聴き終わったときには、
「藤巻さん大好き!!!(←語彙力皆無)」という気持ちになりました(これまでは、あくまでもライトに、「好きだな~」という感じだったのですが、このアルバムをきっかけに、好き!が溢れるようになってしまいました・・・尊い!)。

 

 

というわけで、1曲ずつ、レビューしていきたいと思います。

 

 

①この道どんな道

この道どんな道

この道どんな道

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TBS駅伝のテーマソングとして起用された曲です。
聴くだけで、萎れかけた気持ちがぱあっと上向きになっていくような曲です。Aメロのメロディーが特に、そのような感じがします。

 

この曲のBメロもまた良いです。

格好つけんなよ
子どもの僕に
叱られてしまうよ

メロディーは、もちろんのこと、歌詞もいいですよね。すなわち、変によく見せようとか考えて、うわべをつくろってやろうとすることは、ある意味で「大人」の常套手段かと思いますが、それでは、「そんなことをするのは良くない、ありのままの姿で取り組むべきだ」と考えていた純粋無垢な頃の自分に顔向けできない、ということなのだろうと思います。藤巻さんらしい歌詞だなと思います。

 


この曲で響いている楽器の音がカッコいいんです!例えば、サビで効いている、上がったり下がったりする音(デデデデみたいな音)が好きです。この音があることで、上り道であったり下り道であったりする様子が鮮明に思いうかぶんです!凄いなぁと思います。また、「胸に秘めて」の「てぇ~」のところから鳴り始めるベースとドラムがカッコよすぎて、ゾクゾクします。

 

 

さらに、曲の最後の部分も好きです。この部分だけ、これまでの曲調とは異なって、浮遊感があり、そのうえ、歌詞も回想的なものとなっているので、幻想的な感じがします。歌詞は、

草むらをかき分けてた
少年が見つけた
輝き 暗闇
風が吹き抜けた
あの トキメキ

となっています。「輝き」と「暗闇」という対立概念が、接続詞を伴うことなく並べられているところが、好きです(藤巻さんの曲の歌詞には、こういった接続詞なしに、客観的に認識しうる事象を並べるようなものが多くて好きです)。


この歌詞から、「少年」は、自分で探して、出会った「道」が自然によって承認されたということに対する喜びを感じているのかなと想像します。「風が吹き抜けた」と「あのトキメキ」との間に、余計な言葉や説明がないからこそ、具体的なシーンと、「少年」が感じたであろう「トキメキ」を追体験できるような気がします。すごくすきな歌詞です。

 

 


②Sunshine

Sunshine

Sunshine

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この曲は、アルバムリリース前に先行配信されていたのですが、私の謎のこだわり、すなわち、「アルバム曲を初めて聴いたときの感動は、アルバムを初めて初めて聴いたときにとっておく」というこだわりのために、この曲を聴くことをずっと我慢していました。しかし!リリース日前日に藤巻さんのインスタライブがあり、そこで藤巻さんが披露してくださったんです!(このとき、聴くか、聴かないか!?と非常に悩みましたが、結局、聴きました・・・欲望に負けました笑)もっとも、このとき、藤巻さんはアコギ1本で弾き語り形式で披露してくださいました。そのため、この曲をアルバムで初めて聴いたときの「おいしさ」は、二倍でした!というのは、私の個人的な感覚の話になるのですが、アコースティック形式や弾き語りで演奏されていた曲を聴いて、あとから、バンド形式で演奏された同曲を聴くと、感動が二倍になる、ということが多くあります(例えば、スピッツの『日なたの窓に憧れて』を聴いたとき)。だからこそ、藤巻さんには感謝です、ありがとうございます。

 

 

前置きが長くなってしまい、すみません。

曲全体について、ゆったりとして、まろやかな曲調が心地いいです。そのうえ、サビの終わりのほうで鳴りひびくマンドリンの音が、これに「感情の細やかな揺れ」をプラスしてくれていると思います。すなわち、ここでのマンドリンは、繊細で細やかさを表現する方向で演奏されていると思うのですが(マンドリンの奏法のこと)、これが感情の機微を表現しているように思うのです。

 


メロディーもまた素晴らしくて、とりわけ、サビの「いつの日かまた会おう」「僕が抱き締めたのは」などの部分のメロディーがとにかく気持ちいいんです・・・!初めて聴いたときは、鳥肌が立ちました。

歌詞については、

Sunshine 過ぎてゆく
時だけが朧げに
僕が抱き締めたのは
一瞬の輝き

この部分が特に好きです。私は、この箇所を、不可逆的に進む、触れたり見たりすることのできない「時」から、すくい上げられたのは、その時を過ごしたことによって心のなかに得た「輝き」(=思い出、喜びなど?)であった、と解釈しています。なにかを抱き締めることが出来たとはいえ、それすらもつかみどころのない感じがまた切なくさせますね。

 

 

先日公開されたMVもまた、ステキですね!
光に包まれた藤巻さんが気持ちよさそうに歌っている姿は、この『Sunshine』の歌詞の世界観をそのまま表現していると思います。個人的には、光の色の加減からか、どこか懐かしさをも感じさせてくれるMVだなと思っています。


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③裸のOh Summer

裸のOh Summer

裸のOh Summer

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この曲は、個人的に「これぞ、ずっと聴きたかった藤巻ロック!」という感じがしています。同曲は、レミオロメン時代からデモテープがあったようで、確かに少しレミオ風味を感じてしまいますね・・・(とりわけ、イントロやサビの雰囲気)!?

 

 

この曲については、歌詞が特に好きで、とりわけ、Cメロ部分、

お隣の芝生は青く見えんの
石垣に足かけてる
Oh 切ないほど惨めな

自分にサヨナラして

この歌詞が心にグサッと刺さりました。
私は、「石垣」というのを、「お隣」、すなわち、他者との“境界線”と捉えて、つぎのように解釈しています。すなわち、自他の境界線をしっかりと引いて、他人がどうしているのかを気にすることなく、自分がやるべきこと・やりたいことを真っ直ぐに追いかけるようにすべきである、ということを歌っているのではないかと思っています。境界線に足をかけてしまっているわけですからね。他人の世界をのぞき込んでみれば、そりゃあ隣の芝生は青いですし、自分と他人とを比べて惨めになりますよね・・・。また、そうやって他人の世界をのぞき込もうとしている自分を客観視してしまったとき、なおさら自分が惨めに感じますよね・・・。この歌詞は、最初に聴いたときは「!?」と思いましたが、よく聴いてみると深い歌詞です。

 

 

自分のやりたいこと、やるべきことをもう一度、心に取り戻すことが大事だなと思わせてくれる曲です。

 

 

 

④僕らの街

僕らの街

僕らの街

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メロディーにおける和風な雰囲気と、歌詞における自ら選んだ土地で生きていくことの豊かさ・素晴らしさ、さらに、そこに住む人々の営みやあたたかさの表現とが相まって、何気ない日常のなかにある幸せを感じさせてくれる1曲です。

 

タイトルの『僕らの街』というのは、静岡県山梨県~長野県のあたりがイメージされているようです(中部横断自動車道 新清水JCT~富沢ICの開通記念テーマソングでした)。

prtimes.jp

 

私も、中部地方出身なので、この曲で歌われている土地の雰囲気が想像できて、しかも、それが幼少期の記憶とリンクするため、聴いていると心がジーンとしてきます。

 

 

個人的には、

長い冬が明け春の温もりに
包まれて涙する

という歌詞が凄く好きです。冬が長く、寒い地域出身である藤巻さんならではの歌詞だなと思います。冬にたくさん雪が降るような地域に住んでいたことのある人間として、その季節が終わって、あたたかな日差しを浴びて、春が来たことを実感すると、なんとなく感動するといいますか、新たな季節を迎えられたことに対する喜びを感じていたので、すごくいい歌詞だなと思います。

 

MVは、コチラです!


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まほろ

まほろば

まほろば

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サントリー天然水の「北アルプス」デビュー記念の曲であったということもあり、豊かな自然の情景が余すところなく描かれています。

www.suntory.co.jp

 

マンドリンの軽やかな、歯切れの良い音が、その土地・自然の純朴さを表現しているようで、とても好きです。

リズミカルに、跳ねるようなAメロ・Bメロを経て、水が流れ出すように滑らかで勢いのあるサビがくるのですが、この構成がまた素晴らしいなと思います。サビを聴いていると、自分が本当に自然のなかを駆け回っているような気分になってきますよ!(二番のサビの「中央道を飛ばして~」の部分は、本当に道をビュンと心地よく走っているかのような気持ちになります笑)

 

 

この曲では、二項対立にある(あるいは、あると思われがちな)概念は、決して断絶したものではなく、繋がっているのだということを歌っているのかなと思います。すなわち、都会にいる自分(曲の主人公)と、自然豊かな故郷で暮らす父母たち、都会と田舎、都市と自然、昔話と未来の話、現実と理想といったものたちは、両者が排斥し合うことなく、実は、繋がっているというのです。

 

最後の

あなたがいる場所が

まほろ

という歌詞が本当に良いですね。自然豊かだから良い場所だ、都会で色々と豊かだから良い場所だ、というのではなく、「あなたいる場所がまほろば」だというのですから。この箇所について、あなたがいるからこそ、そこが「まほろば」だ、と読むのか、それとも、あなたがいる場所、すなわち、「まほろば」と読むのかは分かりませんが、いずれにせよ、どんな場所・土地も素晴らしいものだということを実感させてくれる歌詞だと思います。

 

MVは、コチラです!

個人的には、マンドリンを"抱えながら"弾いて歌う藤巻さんがすごいなぁと思います。今まで、座って弾いている人、あるいは、ストラップで肩から提げている人しか見たことがなかったからです。


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⑥ゆけ

ゆけ

ゆけ

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この曲は、シングルとしてリリースされた曲でもなければ、これまでのライブで披露されたこともない、このアルバムの完全新曲です!

 

 

個人的には、20年後も聴いていたい、責任世代に響く曲だなと思っています。というのは、この曲に出てくる人たちは、みんな「責任世代」のひとたち、それこそ、藤巻さん世代(40代)のひとたちであり、この曲は、その世代特有の日常や、悩み、つらいところ、楽しいところを歌った歌であると思うからです。私自身、まだまだ若造で、『ゆけ』の世界に出てくるひとというよりかは、まだレミオロメンの『歩調』の主人公のような感じです。一人の社会人として、社会や家族に対して責任を負ったことがないからこそ、この曲がもつ意味を100%実感しきれていないような感じがしています。だからこそ、責任を持てるような大人になってからまた、もう一度この曲を聴きたいなと思っています。

 

 

と書きつつも、今の時点(歳)での感想を書きたいと思います。

朝に聴きたくなる、前向きで明るいメロディーもいいのですが(サビの始まりで鳴る鐘のような音が「はじまり」を表現しているようでまたいいんです)、この曲は、なんといっても歌詞が良いなと思います。

まず、

誰だってそれぞれの世界

心に抱きしめ必死に生きてるのさ

この部分がすごく好きです。大人として、社会にもまれながらも、人それぞれ、それぞれ異なる「世界」をもって生きていっても良いんだなと思わせてくれる歌詞だからです。また、客観的に、ある意味で"神の目目線(一人の人としての目線というよりかは、天上の神としての目線、という意味)"で書かれたこの歌詞に、多様性を肯定してくれるような懐の深さを感じるからです。

 

つぎに、

一人じゃないから

君とともに揺らぎながら

この部分もまたいいですね。あくまで超個人的な感想なのですが、藤巻さんにとっての「揺らぐ」というのは、ヘーゲル哲学的な揺らぎなのかなぁと思いました。私自身、哲学の専門家でなく、また、ヘーゲルの本を最後まで読めなかった人なのですが、最近、ヘーゲル哲学の超絶わかりやすい神のような解説書*1を読んで、そのように思いました。ヘーゲル哲学自体、どっちつかずで、二つの概念をいったりきたり、あるいは、両方の概念からいいとこどりをしたりするようなもの、すなわち、一つのイデオロギーのみに依って立つような考え方をとらないものであるようです。

藤巻さんも、一つの価値観の体系に染まる、あるいは、手っ取り早く理解できるような、わかりやすい価値観に安直に飛びつくようなことはせず、ヘーゲル哲学のように、いろんな人の価値観に触れて、それらの間で揺れるということを言っているのかなと思いました。そのような解釈を(勝手に)するようになってから、この曲がさらに好きになりました。

 

 

⑦オウエン歌

オウエン歌

オウエン歌

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藤巻さんの母校である県立笛吹高校の生徒たちへ向けて制作された曲です。学生の旅立ちをオウエンしてくれる曲です。

 

ギターの歪み具合が力強い感じで、骨太ロックな雰囲気がまたいいですね。とりわけ、サビのアルペジオが本当に心地良いです。「いこうぜ 僕らの未来」と、そっと寄り添いながら側を歩いてくれているような感じがします。

 

個人的に、やはりこの曲も歌詞が好きです。

青春の山 友情の橋

これがとにかく好きです(この曲を本当に初めて聴いたときに、ビビッときた部分です笑)。私は、藤巻さんの、心情や主観的なものと、自然や景色とを結びつけた歌詞が本当に昔から好きです。例えば、レミオロメンの『Monster』の『自問と自答の河」は、天才だと思います!ふわっとした、人と共有しようのない形のない主観的なものを、不動のものとして存在する雄大な自然として表現することによって、それらに共通する、いままで自分では気づけなかったような「本質」が明らかにされるとともに、つかみどころのない主観的な概念が鮮明で、私たちで共有しうる概念としての自然風景となっています。これこそが藤巻さんの詩の魅力なのでは!?と思っています。

 

 

この歌詞について、「青春の山」は、個人的には意外な組み合わせで、本当にハッとさせられました。青春とは、学生時代の心動かされた経験が積み重なっていき、後から振り返ってみることで認識されるものであると思っています。そして、その青春は、ずっとその人の心の中に残り続けるものであり、大人になってから振り返ってみても、色褪せることなくしっかりとそこにあるものであると考えています。

この歌詞では、「青春」が積み重なって「山」のようになり、そして、時が経って思い返してみても、それは「山」のように不動のものとしてあり続けるということを歌っているのかなと思っています。

 

 

また、

燃える夕日 夏の群青

流れ星に願い込めて

それは青春 永遠の一瞬

雷鳴が轟いた後の静寂から

この部分は、本当に美しくて好きです。最後の「静寂から」のところは、本当に曲が静かになるので、曲の世界観を体験できるような気がしています。また、後半の2行は、「青春」の時としての儚さを表現していて、心が震えます・・・。

 

 

⑧千変万化

千変万化

千変万化

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マイナビ農林水産ジョブアスのウェブCM曲として作られた曲です。

jobearth.mynavi.jp

歌詞がとにかくキラキラしていて、人々の熱気と自然の豊かさとが合わさることによって生まれうる無限大の可能性を感じさせてくれる曲です。

 

この曲については、私としては、曲全体の雰囲気のかっこよさを全力で推したいです。藤巻さんの曲の中では、珍しい(?)感じの、ファンクな感じが本当にかっこいいんです。初めて聴いたときには、かっこよすぎて、攻めていて、「めっちゃ求めていた藤巻さんの曲!」という感じで、本当に興奮しました。回転式の椅子に座って、うなりながら回転しまくりました(変な曲のノリ方)。

 

曲の冒頭からジャラッジャッジャッとくるところのキレの良さ、「へこたれずに輝いて」のメロディーのかっこよさ(ギターの音が伴奏してくるからなおさらかっこいい!)、「最高の人生を~」の部分のギターのカッティングのおしゃれさ、藤巻さんの高音(「笑ったり~」「自分らしく~」などの部分)、また、「海を照らす月の明かり~」からのうねりながら流れていく感じ(ウォータースライダーを滑っているような気分になります笑)・・・どれをとってもむちゃくちゃかっこいいんです。語彙力が少なくてすみません、本当にかっこいい・・・。かっこよすぎて、もはやエロさすら感じてきます(?)。

 

 

Heroes(Album Ver.)

Heroes (Sunshine ver.)

Heroes (Sunshine ver.)

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ウルトラマン クロニクル ZERO&GEED』の主題歌です。


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実は、アニメのなかで流れているのを観たことがありません(濱田龍臣さんが主演だったということくらいしか知らず・・・)。それゆえに、曲そのものの感想となってしまいます、すみません。

 

この曲は、とにかくロックな曲で、個人的には、かき鳴らされたギターの音が非常に気持ちいい曲だと思っています。かき鳴らされたギターの音こそが、この曲を形作る主役で、曲を前へと推し進めているような感じすらします。とりわけ、イントロの終わり、Aメロの直前部分と、Aメロ、間奏のうねるような部分(ここで焦りを感じます笑)で、そのように感じます。

 

 

また、緩急のつきかたがいいなと思います。すなわち、Bメロまでどんどん突き進むような感じで来ていたなかで、サビの冒頭(「進め~ヒーロー」)は、ふわっと、ウルトラマンの独特な動き方(もっさりとした動きをするというイメージが強いのですが、今はキビキビ動くんですかね?)を感じるような雰囲気で、続いて、「朝日に祈り~平和の」の部分は、ギュンギュン細かくかき鳴らされているという構成になっています。このような緩急のつきかたが、緊張感を与えてくれるような感じがして好きです。

 

ギターの弾き方の変化も、聴きどころだと思います。すなわち、サビで鳴っているギターも、サビの冒頭では、音がちりばめられているような感じであるのに対して、その後に続く部分では、ジャカジャカかき鳴らされています。さらにそれに続く「平和の」の部分では、音が上から下に流れるような忙しい感じで鳴っています。

 

 

歌詞については、

宙に還った者たちは流星になる

という部分が好きです。おそらくウルトラマンがなんらかのきっかけで故郷に帰って行くということ(あるいは、「殉死」した場合のこと?)をうたっているのかなと思います。しかし、普遍的なこととしても考え得ると思っていまして、すなわち、勇気をもって戦った者が敗れて(≓殉死)、空に還っていくと考える場合に、ただ還るのではなく、流星として現れて、最後に大きく輝くことで、その勇気が讃えられるということを歌っているのかなと思いました。それは、あくまで「思想」の枠内での捉え方ではありますが、人々の心の中で生き続けるという意味で、なんだか良いなと思った歌詞です。

 

 

⑩サヨナラ花束

サヨナラ花束

サヨナラ花束

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この曲は、私がこのアルバムのなかで一番好きな曲です。

歌詞もメロディーも、すごくツボで、すごく大事にしたいと思った曲です。

 

この曲のいう「サヨナラ」は、日常的な挨拶としてのさよならではなく、人生の終わりとしてのさよならを表しているのだと思います。そうすると、この曲は、藤巻さんなりの「死生観」、すなわち、人生には必ず別れはつきものであることから、それを悲観することなく受け止めながら、また、別れの先でまた出会えるだろうということに期待しながら、自分の人生を自分なりに生きていくことを歌っている曲であるのだと思います。輪廻転生の考え方に近いのかなぁ・・・なんて思って聴いているのですが、どうでしょうか。

 

 

私の中にある「死生観」にかなり近い趣旨を歌っていると思っていて、非常にシンパシーを感じています(勝手にすみません)。それゆえに、聴いていると突然うるっときてしまうことのある曲です。とりわけ、

この命の意味を知る時は

家族も仲間も他人も他国も

繋がっているよ 命のまま

サヨナラからまた歩こう

何者でもない僕らのまま

この、最後の部分が非常に心に響きます。ここでは、人が死んだ(「サヨナラ」した)後のことを歌っていると捉えています。「死」は、ネガティブに捉えられがちだと思いますが(それはもう、未知であるがゆえに怖いことですからね)、ここでは、「死」がただ終わりを意味するのではなく、そこからまた新たな意味を学びとることができる、あるいは、そこには希望があるのだということを感じさせてくれます。すなわち、「死」によって、自分が生きてきた意味を知ることができるのでしょうし、また、肉体が滅びるからこそ、魂レベルで、国籍や人種の関係がなくなるといえるでしょう。

さらに、「死」によって、何者でもなくなった自分たちは、また歩いていけると歌っていて、このことから、また未来での再会も予感させてくれます。

 

今、人生において関わっている人たちとの別れがいつか訪れるときに、強くなれるような気がしてきます。

 

また、メロディーや曲のアレンジ、ギターのジャキジャキした音がすごくかっこいいんです。第一に、サビに入る直前の、「サヨナラ」の部分で、ギュイ~ンとギターの音が鳴るのですが、それがもうたまらなくかっこいいんです。サビで一直線に走るために、クラウチングスタートの体勢をするような感じがします。第二に、サビのメロディーが叙情的で胸がきゅうっとなります。

互いの胸に手向けて

ここのメロディーと、バックで鳴っているギターがたまらなく好きです、エモいです。バックで鳴っているギターをよく聴いてみると、「互いの~」のところがストローク(であってますかね?ジャン、ジャン・・・という感じ)なんです。それまでは、アルペジオで弾かれているなかで、このエモいメロディーのところで、厚みのあるエモい音が響いています。ここのメロディーが持っている切なさや儚さの感じが、心をわしづかみにして揺さぶってくるような感じがします。

 

 

最後に、超個人的で、変態的な感想なのですが、この曲での藤巻さんの歌い方が好きです。とりわけ、「互いの胸に手向けて」の「て」と、「仲間と出会えた奇跡」の「き」の部分の歌い方、声の感じがツボすぎて、ときめきが止まりません・・・。何度聴いても、鳥肌が立ちます。キリッと、力強く、引き締まった歌い方が良いんです・・・。この「て」と「き」の声だけで、あと何年も生きていけるなぁという感じすらしています(?)。

 

 

力強いロックなバンドサウンドで、哲学的な歌詞を歌う藤巻さんが本当に好きです。

 

 

⑪花びらのメロディー

花びらのメロディー

花びらのメロディー

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ハッピーターン誕生45周年「みんなでつくる、WEB CM『Happy Movie Project』」として作成された記念動画のタイアップ曲です。

youtu.be

優しくて、まろやかで、包み込んでくれるような雰囲気の曲です。

歌詞をみてみると、「僕」と「君」との2人の間のラブソングなのかな?という気もするのですが、私としては、「僕」の愛を、音楽を通じて、広くいろんな人々(それを一般化して「君」としていると捉える)に伝えていこうとしている曲だと思っています。それゆえに、藤巻さんからファンに向けた曲でもあるのかなぁ・・・なんて気もしています。

 

 

どの言葉をみてみても、「僕」の懐の深さ、愛の深さを感じられて、あたたかい気持ちになるのですが、とりわけ好きな箇所が2つあります。

まず、

僕が持ってる全てのものを

 

手放しながら 君にあげながら

幾億の花が心に咲くから

ここの歌詞がとても好きです。

「僕」は、「君」からの見返りを求めることなく、自分のもっているものを「君」にあげようとしているのですが、この「僕」の気持ちが非常にステキだなと思います。そういった気持ちをもってこそ、人と人とのあたたかなつながりができていくのだと思います。

 

ついで、

時間よ止まれよ 君の眼を見つめている

風には春の便り 戻れぬ時を告げている

Aメロの冒頭の歌詞も非常に好きです。この2行から、ここで描かれている時間が、「僕」にとっていかに幸せな時間かがわかるような気がします。他方で、主観的な「僕」の時間が止まってほしいという思いと、客観的な時間的なリミット(春が別れの時なのでしょうか)とが淡々と描かれていて(しかも、低音のメロディーで歌われていて)、だからこそ、なんとも表現し得ない切なさや苦しさを感じるフレーズでもあります。

個人的に、この歌詞と似たようなシチュエーションを体験したことがあるために、なおさらグッときます・・・。本当に、人間の瞳、とりわけ、好きな人の瞳というのは「無限の宇宙」だと思います。

 

 

大地の歌

大地の歌

大地の歌

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この曲は、「震災」をテーマに作られた曲です。世の中にはいろいろと「自然災害」などをテーマにした曲がありますが、藤巻さんのこの曲は、よりリアリティをもって、かなり踏み込んで、その地域に住む人たちの目線から、自然との向き合い方を描いている曲にであると感じています。

prtimes.jp

はじめて私がこの曲を聴いたのは、藤巻さんのインスタライブだったかと記憶していますが、そのときは、アコギ一本で弾き語りだったので、この曲に対して、一人の人間としての祈りを表現している曲であるというイメージを抱いていました。しかし、本アルバムに収録された『大地の歌』は、バンドサウンドでアレンジされています。これにより、自然や大地のダイナミズムをありのままに表現している曲へ変化した、すなわち、曲の視点が「人」から、「自然」そのものへと変化したように感じました。とりわけ、Aメロは、ベースとドラムのみで構成されており、自然の無骨な部分(人間に配慮することなく、無慈悲にも自然災害を引き起こしてしまうような側面)を表現しているような感じがします。

 

 

この曲は、音楽的に「変化」するところが聴きどころだと考えています。すなわち、曲の冒頭こそ、音数が少なく、無感情な感じのベースの音が目立ちますが、曲の最後には、走り出しそうなギターの音色にある、希望を持てるような、明るさのある音が目立ちます。このように、1曲のなかで、このような暗い、白黒の雰囲気から明るい雰囲気へと変化する様子は、人の命をも一瞬にして奪っていくような無慈悲な自然から、人々が何らかの希望を見いだしていく様子を描いているように思います。また、曲の中で、自然から、そこで生きる人々へと視点が変化していく様子をも描いていると思います。

 

 

歌詞には、自然に対する人々、とりわけ、災害の被害を直接に受けやすい地域に住む人々のありのままの感情が描かれています。

敬い崇めて時には恨んで

それでもここでしか

生きられやしない

この歌詞は、そのような感情の「核」となるような部分を鮮明に表現しているように思います。この歌詞のすごさに圧倒されました。

 

改めてもう一度、災害を引き起こしうる自然との向き合い方について考え直すきっかけを与えてくれる曲だと思います。

 

 

 

・・・・・・

 

 

以上が、『Sunshine』全12曲のレビューと感想になります。

超個人的で、主観的な感想・レビューになってしまい、ごめんなさい。このアルバムについては、私が藤巻さんの楽曲に求めていたものがギュッとつまっていて、それが本当に嬉しくて、ついついあふれんばかりの感情を書き散らしてしまいました。

しかも、感情があふれすぎて、どう書けばいいのか悩みまくり、結局、この記事を完成させるのに1ヶ月もかかってしまいました(CDを手にしたのは、発売日当日でした)。もっと簡潔に、わかりやすくアルバムレビューが書けるようになりたいなと思います。

 

 

このアルバムを全体的に考えてみると、前アルバムの『北極星』からの時の流れを感じます。すなわち、前アルバムでは、「君」との2人の関係性を歌ったラブソングが多かったのに対して、本アルバムでは、家族のあたたかさを歌った曲が比較的多いように感じます。なんだかいいですね。レミオロメンの初期の頃こそ、主人公の内心における苦悶や葛藤が描かれているような曲が多かったので・・・・・・本当に時の流れは早いですね~!

 

 

これからの藤巻さんが作る曲が、本当に楽しみです。藤巻さんは哲学や思想に通じていますから(尊敬します!)、それが反映されて、より深みを増した歌詞の曲が聴けるんだろうなぁとか、バリエーション豊かに、自然や心情を鮮明に表現したメロディーの曲が聴けるんだろうなぁとか・・・とにかくワクワクしています。

 

 

生きる「指針」になるようなアルバムを生み出してくれて、ありがとうございます!という気持ちでいっぱいです。

*1:川瀬和也『ヘーゲル哲学に学ぶ考え抜く力』(光文社、2022年)

【「カセット」の衝撃】スピッツ新アルバム『ひみつスタジオ』発売決定!

こんにちは。わんわん電鉄です。

 

ついに!!発表されました!

スピッツ、3年半ぶりの、17枚目のアルバム『ひみつスタジオ』が、5月17日に発売されます!!!

https://spitz-web.com/himitsu/album/

 

 

このビッグニュースを、当日、インスタのスピッツ公式アカウントのストーリーでみて知ったのですが・・・思わず、まずタイトルを叫んでしまいました。

 

 

『ひみつスタジオ』って、めっちゃ可愛くないですか!?!?

スピッツらしい!

秘密スタジオなのではなく、"ひみつ"なのが本当に良いですよね~マサムネさんらしいなと思います。マサムネさんって、可愛いモノが好きなんですかね?『醒めない』のモニャモニャも、『見っけ』のミノムシさんも可愛かったなぁ・・・ゆるキャラだったなぁと思いまして・・・。

 

 

『ひみつ』という言葉について思ったのですが…最近のスピッツアー写について、メンバーが折り紙で作った椅子に座っていて、ミニチュアの世界にメンバーがいるみたいな雰囲気であることから、メンバーがいる小さな世界を我々がのぞき込んでいるようなイメージを抱いていました。すなわち、メンバーの世界観に密やかさを感じていたところだったので・・・なるほど!!!と思いました。今回のアルバム名から、メンバー4人の密やかな世界に、我々ファンを誘ってくれるようなアルバムなのかな~と想像しています。

 

 

 

そして、なんといっても今回の新アルバムにおける一番の衝撃・・・

この時代に新アルバムが「カセットテープ」で販売されるというんです!!!!

令和5年にカセットテープの新譜が販売されるなんて、本当に驚きです。個人的には、最近、「スピッツもカセットでなにか売らないのかな~」なんてことを考えていたものですから、なおさら驚きです。

スピッツは、今回の新アルバムを、CD・配信はもちろん、カセット、レコードによっても聴けるように販売するということで、スピッツの旧来の音楽媒体に対する愛情を感じます。今回のスピッツの一件により、レコード人気が再燃しているように、カセット人気も再燃する日が来る気がしています。

 

 

全13曲ということですが、『猫ちぐら』『紫の夜を越えて』『大好物』は、そこに入ることが確定的ですよね。すると、残り10曲は、未だ耳にしたことのない、新曲ということでしょうか!!ゴースカでは『Sandie』という新曲が披露されたそうですから、それも入ることでしょう。詳細の発表が待ち遠しいです。

 

 

 

 

私個人の話にはなりますが、私がスピッツをリアルタイムで追いかけ始めてから、かれこれ5年になります。ちなみに、初めて買ったスピッツのアルバムは、『見っけ』でした。

今回、また新たなアルバムが誕生し、それを聴けることに喜びを感じています。スピッツが今もなお元気に活動してくれていて、ファンとして本当に嬉しいです。同じ時代に生きることができてよかったなぁと思います。

 

スピッツ、ありがとう!

 

 

《余談》個人的にもカセットブーム到来…とはいえ…?

ここからは、余談です。

スピッツが新アルバムをカセットでもリリースするということで、私もカセットプレーヤーを買ってみようかなぁ!という気持ちになってきました。

 

 

もともと、カセットへの興味があったんです。小さい頃、車のカーオーディオにはカセットを聴ける機能がありまして(今は壊れてしまいましたが…)、父が、たまにカセットに録音した曲を車内で流していました。CDで聴けるのとはちがう、モコモコとして、どこか距離感を感じるカセットの音質は、幼少期の私には、魅力的に感じられました。

 

一番のお気に入りのカセットテープは、1996年リリースの曲がまとまっているもので、その中にスピッツの『渚』が入っていました。今思えば、カセットで聴く『渚』は、良かったなぁ〜と思います。カセット特有のアナログな音質が曲調に合っているなと思います。(小さい頃は、もちろんスピッツのことなど知らなかったので、『(高音で)さめーないで〜』の曲と呼んでいました(笑))

 

 

家にあったカセットプレーヤーは、幼少期の私が(意図せず)破壊してしまったため、現在、我が家にカセットを聴ける機械はありません。しかし、カセットテープそのものは、家にまだまだ保存してあります。そのため、プレーヤーが欲しいな〜ついでに、なにかカセットで新曲でないかな〜なんてうっすら思っていた頃でした。これをきっかけに、なにか購入してみましょうかね!?

 

 

しかし、カセットテープでの思い出があるとはいえ、やはり『高音質』に慣れすぎている世代の人間なので、いざ買ってみて、『……やっぱCD最高(笑)』となりかねないか不安ではあります。

 

私は、ハイレゾウォークマンを手にした時期が、人よりもかなり早かったです。すなわち、みんながSシリーズやipodの小さいのを持っているような時期に、私は、F880(初のハイレゾ対応ウォークマン)を持っていました(スマホを買ってもらわないかわりに、android搭載ウォークマンをおねだりしたのでした)。そのうえ、私は、素人耳のくせに、やたら音質にこだわりたがるしょうもない人間です。F880を買ってもらったことをきっかけに、ハイレゾ対応ヘッドホンまで買ってもらいました…(ちなみに、F880は6年間、当該ヘッドホンは5年間使いました。どちらも丈夫で、高性能で、名機だったなと思います)。最近は、あまりハイレゾへのこだわりはないですが(こだわりだすとお金がいくらあっても足りない)、結局、コソコソとリケーブルしたり、音楽ファイルをFLACかWAVで取り込んだり、今のウォークマンでバイナルプロセッサーをオンにしたりしています。

 

 

そんな私なので、正直、自分の中での、カセットとCDの棲み分けが難しいなと感じています(笑)これまで『高音質至上主義』だったものですから…。また、CDがある以上、カセットはなくても困りませんからね……とはいえ、家に眠っているカセットをカセットで聴きたいという欲求もあります。あのモコモコ感をもう一度!というわけです。う〜ん…自分の欲求に素直になってみますかね???

将来性(どれくらい使い込むか)の観点からも要検討です。カセットプレーヤーは、そう安くはありませんからね(笑)

 

 

ちなみに、趣味として8センチCDを集めているのですが、こちらは、時代性が感じられるだけでなく、現在も簡単に再生できるので良いな〜と思います。アダプターも持っていますが、実はほとんど使用シーンがありません。すなわち、8センチCDは、そのまま今のCDプレーヤーで再生できるというわけです(機械によっては、曲の冒頭の音が飛ぶ可能性がありますが、基本的には大丈夫なはずです)。お手軽に平成初期にタイムスリップできますよ!!

 

 

駄文になってしまいました、カセットプレーヤー、買うか買うまいか問題。なかなか買う勇気が出ませんでしたが、スピッツに勇気をもらって、買ってみようかな……!!と思います。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

青春時代をBUMP漬けで過ごした私が、Galileo Galilei『僕らのBUMP OF CHICKEN』を聴いて

こんにちは、わんわん電鉄です。

 

先日、ツイッターのトレンドに「Galileo Galilei」と入っているのを見たことをきっかけに、次の動画にたどり着きました。


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Galileo Galileiが、自身がファンであるというBUMP OF CHICKEN(以下、BUMP)の、思い出の曲をカバーした動画です。

natalie.mu

 

私は、Galileo Galilei(以下、GG)の熱烈なファンというわけではないのですが、彼らの『僕から君へ』という曲が大好きであったこと、また、私の周りにファンが多かったことから、GGのことはそれなりに知っているつもりでした(BUMPファンかつGGファンという人はかなり多いですし、2013年くらいの時期に『スクールオブロック』とかを聴いていた音楽ファンは、GGをよく知っていたと思います)。また、ボーカルの尾崎さんの声は、BUMPのボーカルである藤原基央(以下、藤くん)の声に似てるなぁ・・・ということも、当時中学生だった私は、なんとな~く感じていました。

 

 

今回、GGがBUMPの曲をカバーしてくれたことが、とても嬉しいです。原曲を大いに改変するのではなく、尊重して忠実に演奏してくれていること、だからといってただの「コピー」になることなく、しっかりとGGらしさも出ているということが、とにかく嬉しいです。

 

 

カバーされた『ナイフ』『リリィ』『メロディーフラッグ』『ホリデイ』『ロストマン』を聴いて、私の人生にとって、BUMPは、いかなる存在であったかということを改めて認識することになりました。

私にとって、BUMPは、私の「青春時代のハイライト」である、といえると思います。

 

 

小学6年のときにBUMPに出会って、中学1年のときにがっつりハマりだして、それから高校卒業くらいまでの約7年間、ずーっとBUMP漬けの日々を過ごしていました(より厳密にいえば、中学3年間は、本当にBUMP以外の曲はほとんど聴いていなくて、高校に入ってからは、他のアーティストの曲も並行して聴くようになった・・・という感じです)。

その7年間は、BUMPなしに語ることができないくらい・・・BUMPに結びついた思い出がいっぱいあります。

 

 

『ナイフ』は、今回カバーされた曲の中でもっとも思い入れの強い曲です。この曲のBメロの、

夜明け色のロケットに飛び乗ろう

怖いならよく見なよ 小さな虫だって短い命頑張ってんだからさぁ

この部分を聴いて、この曲をよく聴いていた中学1年のある日の夜中を思い出しました。というのは、中1の私は、BUMPのラジオ番組である『PONTSUKA!』を聴くために、毎週、日曜日の27時まで必死に起きていようとしていました。番組が始まるまでの間、布団に入って、ウォークマンに入っているBUMPの曲を聴いていたのですが、その際によく聴いていたのが、『ナイフ』でした。

 

 

先日、GGによるカバーの『ナイフ』も、中1のときと同様に布団の中で聴いたのですが、当時からもう約10年も経っているのに、当時の自分になってしまうような気がしました(もちろん、そんなことはあり得ないんですけどね笑)。すなわち、日曜の夜、『明日はまた月曜日、学校だなぁ~。1時間目は××かぁ・・・』などと考えて、憂鬱になっていたことが多くありましたが、それでも頑張ってなんとか登校しなきゃなあ・・・など、当時感じていた感覚が、ぶわっと蘇ってきて、「うわああ!!(語彙力がなくて説明しきれない感情)」となりました。

 

 

他の4曲を聴いても、それぞれの曲に結びついている思い出がぶわっと鮮明に蘇ってきて、当時の自分に手が届くような気がしました。

もう、懐かしすぎて、やばい、懐か死んでしまう。

 

そんな懐かしい気持ち、思い出を思い出させてくれたGGには、本当に感謝しています。本当にありがとうございます。

 

 

冷静に、今回のGGによるカバーについて感想を述べるとするならば、

まず第一に、忠実なカバーであり、それが素晴らしいということでしょう。ギターの音色、歪み具合などが、CD音源とほぼほぼ一緒だと感じています。GGの、BUMPに対する愛を感じます!

 

第二に、尾崎さんの声と藤くんの声には、似ている要素がかなりあるということです。お二人とも声の「ベクトル」が違うとは思うのですが(尾崎さんは、丸みのある声であり、藤くんは、尖った声である)、重なり合う部分がかなり大きいのだと思います。個人的には、等積変形した三角形みたいなイメージを持っています。

 

第三に、尾崎さんが尾崎さんらしく歌い上げたことによって、原曲の新しい側面を見いだすことができたということです。これは、CDでしか聴いたことがなかった曲をライブで聴くと、その曲に対してまた新たな感想を得るということと似ていると思います。

今回カバーされた曲は、いずれもBUMPの初期の曲であり、当時の藤くんの声は、かなり荒削りな感じだったと思います(もっとも、『ホリデイ』は、あんまりそういう感じではないですが)。それゆえに、歌詞にある言葉がはっきりと発音されていなかったり、少しクセのある感じで発声されている箇所がいくつかあると思います(例えば、『ナイフ』の英語詞の部分や、『ロストマン』の「切り取った」の部分など)。それはそれで、味があって好きですし、何度も聴いたことで、「その曲はそう歌うんだ!」という思い込みすらあります笑。

 

今回のカバーにおいて、尾崎さんの歌い方をよく聴いてみて感じたのは、当時の藤くんが藤くんらしくまとめ上げた部分を、尾崎さんが一度丁寧に紐解いて、そして、歌詞の言葉を丁寧に、尾崎さんらしく包み直したということです。すなわち、一つ一つの言葉が丁寧に、優しく発声されていて、それこそ尾崎さんらしさなのだろうと思います。これは、尾崎さんの、BUMPの歌詞に対するリスペクトなんだろうなと思います。

 

原曲に比べて、一つ一つの言葉がはっきりと歌われているため、この点については、原曲とまた違った雰囲気を味わうことができますし、さらに、原曲がもっていたポテンシャルがさらに引き出されて、違った側面を味わうことができると思います。約10年の時を経て、好きだった曲の新たな姿を楽しむことができて、嬉しいです。原曲に対して愛のつまったカバー曲が聴けるというのは、こんなにも幸せなことなのだと実感しました。

 

これからまた、何度も聴かせていただこうと思います。

本当に、ありがとうございます!

 

 

・・・・・・

 

 

以下、めちゃくちゃ余談です。

今回のBUMPのカバーを聴いて、思い出してしまいました。それは、

中学時代、ヒロくん(増川弘明さん)に、ガチ恋していたことです…(笑)

痛すぎるでしょう、笑ってください。

 

 

このブログにこのことを書くか迷ったのですが…実は、カバー曲を聴いてからというもの、ヒロくんを追いかけた中学時代が頭の中をぐるんぐるん駆け巡ってしまい、何をどうやっても思い出死⇒恥ずか死になってしまいました。だからこそ、いっそブログにこのことを書いて、過去を「清算」しようと思いました(笑)

 

 

当時の私は、熱烈なBUMPファンであり、ヒロくんファンでした。学校でも口を開けば、BUMPの話か、ヒロくんの話でしたから、中学時代のあだ名は『バンプ』でした(笑)卒業時、クラスメイト一人ひとりからメッセージをもらった際には、8割の級友が『BUMP好きすぎてすごいね(笑)』『ヒロってなに』みたいなことを書いてくれました(笑)

 

 

ヒロくんは、私の約20歳年上(ちょっと年齢をぼかしておきます)であるために、中学時代の同級生は、『え!?!?』というリアクションをする人がほとんどでした。しかしですよ!ヒロくんは、年齢を感じさせないんですよね。BUMPファンの方なら十分ご存知だと思いますが、ヒロくんの見た目は、大学生なんです。それは、私が中学生だったころから全く変わりません。だからこそ、周りから、年齢だけを見て『おじ…?』という反応をされるのは、少し不服ですねぇ。

 

 

ヒロくんが好きすぎて、当時はガチで結婚したいと思っていましたし(痛すぎ…)、そのことを口に出して周りに話していましたし(迷惑…)、さらに、ヒロくんの似顔絵とか描いて楽しんでいました(ヤバすぎ…)。ヒロくんの名言を頭の中で反芻していたこともありました。↓この記事に詳しく書かれています。「恋は反比例」が一番好きでした(笑)

plaza.rakuten.co.jp

 

 

ちなみに、なぜ『ヒロくん狂』になってしまったか、すなわち、なぜ増川弘明さんのガチ恋ファンになってしまったかというと、ギャップ萌えしてしまったからです。見た目は、大学生みたいに若々しく、おちょぼ口で少し幼い感じすら感じさせるのに対して……キャラが……!!これ以上は、書きません(笑)詳しくは、アルバム『THE LIVING DEAD』の隠しトラックをお聴きください。あの隠しトラックが、私の中学時代を変えてしまったような気がします。(多分)ネタであるとはいえ、それ以降も、そういったキャラであるような発言やファンによる証言が見受けられたので、そういう人物だと勝手に思っています(笑)すみません!

 

 

ヒロくんへのガチ恋は、高校に入学すると自然におさまってきたわけですが……この経験(?)が、今の私にもたらしたものが一つだけあります。それは、1979年生まれ前後の人が、全くおじさんに見えないという感覚です(笑)ヒロくんのおかげか、私の、年齢に対する許容幅がかなり広がってしまいまして、それゆえに、好きなアーティストや芸能人は、みんな1979〜1984年生まれなんです(笑)この感覚は、芸能人に対してだけでなく、一般人に対しても持ちがちです。たとえば、19歳のとき、35歳の方に「若い!」と言って、困惑させたことがあります(笑)どうやら私には、ヒロくんより年下に対しては、若いな〜という感覚しかないようです。

 

 

Galileo Galileiによるカバーを聴いて、なんだかいろいろなことを思い出してしまった、そんなお話でした。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

(この記事を書いた今日は、久々にアルバム『Butterflies』の初回限定盤についてくる『Special Live 2015 at Yokohama Arena』の映像を観ました。この映像には、私が特に好きな曲しか入っていません!『太陽』と『morning glow』を聴いて、シビれまくっていました笑)

 

2022年の〔個人的〕音楽シーンを振り返る

こんにちは。わんわん電鉄です。

 

 

2022年もあっという間に大晦日を迎えました!1年は、本当にあっという間ですね!
皆様、よいお年をお迎えください!

 

 

ということで、今年、2022年も、私のなかで個人的にヒットした曲をご紹介したいと思います。

 

 

中村雅俊『時代遅れの恋人たち』


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この曲を好きになったのは、完全に親の影響です(笑)。
最初は、タイトルを見て「なんだこれ・・・どういう意味?」と思い、私のなかでこの曲を“よくわからん昔の曲”と位置づけていました。しかし、強制的に聴かされていく(笑)うちに、しだいに「なんかこれ渋カッコよくて良い曲じゃん!」と思うようになりました。

 


もしかしたら、前年(2021年)末の、某番組内での口パクで歌を歌う企画で、錦鯉のまさのりさんがこの曲を歌っていたのを観て、それが面白く感じたということも、この曲を好きになるきっかけのひとつになっていたのかもしれません。

 

 

個人的には、曲の感じが好きです。締まるべきところは締まり、流れるべきところは流れる、というようなメリハリがあって、心地良いです。たとえば、曲のつかみの部分(イントロの、一番最初の部分)は、メロディーで切り込んでいくようなキャッチーさがあってハッとさせられて好きですし、サビの直前の部分にいったんブレイクが入り、そこから流れるようなサビのメロディーが続くところもキレがよくて良いなと思います。

 

また、バックで鳴っている(伴奏)のリズムと、ボーカルのメロディーのリズムとの対比が美しいなと思います。すなわち、バックの音楽は、リズミカルで、細やかでありながら、ボーカルのメロディーは大きくゆったりとしていて、豊かさがあるように感じています。さすが、筒美京平さんの曲だなぁと思いました。

 

 

バーバパパ『どん隆義 時代の肴 金曜歌謡劇場 2005年録画』


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Youtuberバーバパパさんの作品です。少し前に『ヴィエ』がすごく流行りました。私も、『ヴィエ』をきっかけにバーバパパさんを知り、それから、バーバパパさんの作品をたまに観ていました。バーバパパさんの作品は、奥が深く、理解が難しい作品が多いのですが、この作品については、色々とわかりやすく(人間味溢れていて、聴くと気持ちがほっこりとする)、なにより、曲(メロディー)そのものが個人的にとても好みだったので、すごくハマりました。

 

 

また、曲のコンセプトもすごく好きです。

まず、動画のタイトル(『金曜歌謡劇場 録画 2005年』)を踏まえると、2005年当時にまだ幼かったお孫さんが、今頃成人して、おじいちゃんの孫への歌を歌っている姿を観ているのであろうということが想像できて感動します。

次に、おじいちゃんが、かわいいお孫さんとの何気ないやりとりを嬉しく感じて、あまりにも嬉しかったので、そのことを歌にしたんだろうなとわかる感じもまた良いです。
すなわち、曲の冒頭にある

「おじいちゃん魔法かけたよ 今日の朝からエビフライ」
エビフライになりたてのおじいちゃんです

という歌詞が、そのやりとりを表現しているのだと思いますが、わざわざ曲の冒頭にもってくるあたりで、そのうれしさを前面に押し出しているのだろうと思います。

 

さらに、エビフライのかぶり物をかぶって歌を歌っているだけでなく、「今日という日 いつまでも 覚えといとくれ」という歌詞があることからも、おじいちゃんは、お孫さんとのこのやりとりがとにかく嬉しかったんだろうということがわかります。

 


そして、なんといっても、最後の「俺は知らずに酒の肴に される夜も悪くはない」という歌詞で泣けてきてしまいます。おじいちゃんは、幼いお孫さんを見て、将来成人したお孫さんと一緒にお酒が飲めることを楽しみにしているのだと思いますが、その頃まで自分が生きていられるかはわかるわけがありません。そのような望み通りにはならない未来がありうることをも受け入れている姿が、ステキだなと思います。

 

ちなみに、私としては、このおじいちゃんの価値観と、それが反映された歌詞がとても素晴らしいなと思います。すなわち、これからの社会において、変わるものと変わらないものとがあるだろうということ、今の常識がこれからも常識であり続けるということもないだろうということ、自分の知っていること以外の話題を酒の肴にするのもよい(=自分の知らない話題でも、不機嫌になることなく一緒にお酒を飲んでくれる)ということを受け入れていて、これからの変わりゆく時代に柔軟に対応できるような価値観をもっているように感じます。だからこそ、歌詞の内容に説得力が出て、聴くだけで「いい歌詞だな~」と思えます。

 

 

この曲は、ちょうど3月頃、私にとっては「門出」の季節によく聴いていた曲です。「男でも~」のあたりのメロディーを思いだすと、この頃の、忙しかったり、楽しかったりした気持ちが鮮やかに蘇ってきます。

 

 

③LISA『oath sign


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この曲も、ちょうど3月頃によく聴いていた曲です。


実は、この曲は、私にとっては思い出の曲なんです。中学生の頃の3年生を送る会の出しものとして、私はオタ芸を打ったのですが、その際にオタ芸を教えてくれた人たちが打っていた曲が、この曲でした(私は、別の曲で打ちました)。彼らは、ロマンス(という技)を、あえてサビの初めから始めるのではなく、「穢れきった奇跡を背に」というサビの最後の部分から始めるのですが、それがもうめちゃくちゃカッコいいんです・・・!初めて見たときには、むちゃくちゃしびれました!

 

そのことをふっと思いだしたのが、今年の3月です。自分の「門出」と卒業シーズンの思い出とが重なったから、思いだしたのだと思います。いつか機会があれば、この曲で打ってみたいな~と思っていたのですが、それが叶わぬまま、n年が経過してしまいました・・・。

 

 

この曲自体、すごくカッコいいですよね!残念ながら、この曲が主題歌となっていたアニメを観たことはないのですが、この曲の雰囲気・歌詞からして、なんとなくアニメの世界観が分かるような気がします。それくらい、アニメとの親和性の高い曲なのでしょう。

 


この曲を聴いていると、自分が人生の主人公なんだ!ということを改めて認識させられますし、これからの未来をおそれずに前に進んでいこうと思えます。
個人的に好きな歌詞は、曲の最後の部分である、

迷いなんて目を開いて
振り払って手を伸ばそう
穢れきった奇跡を背に

の部分です。やはり、「穢れきった奇跡を背に」というフレーズが、かっこよすぎます・・・。

 

 

④[Alexandros]『閃光』


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マフティーダンスから来ました(笑)ちなみに、元ネタとなっている『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』を観たことはありません・・・。

 

 

色々な動画を観ているうちに、曲の疾走感がたまらない!と思うようになりました。また、サビでの爆発力や、綺麗で耳に残る高音(「荒れた陸地が」の部分)もすごいですよね。

 


この曲をヘビロテしていたのは、今年の5月頃でした。春から環境がガラリと変わって、やることに追われて精神的・肉体的に摩耗していた時期だったのですが、この曲の疾走感に力を借りて、連日徹夜していたことを思いだします。

 

 


King Gnu『雨燦々』


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TBSドラマ『オールドルーキー』をほぼ毎回観ていて、聴いているうちにハマってきた曲です。雨音のような印象的なイントロや、サビでの流れる水のような歌い方(例えば、「この瞬間この舞台を/生き抜くから」など)、透明感のある歌声、さらには、ドラマの内容にぴったりと合った歌詞など、個人的に心揺さぶられるポイントの多い曲です。

選べよ 変わりゆく時代を
割り切れなくとも この瞬間この舞台を
生き抜くから 青き春の瞬きから 何度醒めようとも

この箇所がとても好きです。

 


今まで、どんなに辛くても夢を追い続けることの素晴らしさをうたった曲にはたくさん出会ったことがありますが、それはあくまでも「理想」をうたったものでしかなく、現実の自分とはどこか距離感を感じてしまっていました。しかし、この曲は、そのような曲達とは違い、現実と理想のはざまで、自分の夢との折り合いをつけるということに焦点を置いたものとなっています。それゆえに、そのような自分は、この曲に対して非常に親近感を感じます。「割り切れない」という感情をストレートに言葉にして歌っていて、非常に良いなと思います。これは、自分の夢を終えて、現実に向き合おうとするときの感情をありのままに表現している言葉だと思います。

 


「第二の人生」に向けて新たな決断をするときの様々で複雑な気持ちは、雨に流してもらえる・・・だからこそ、今の自分は、全力で悩んで、全力で未来を選択しよう・・・といったような、諦めるといった後ろ向きな感情ではなく、前に進むといった前向きな感情が湧き出てくる曲だと思います。

 

「雨燦々と降り注ぎ~」の部分を聴くと、すがすがしい気持ちになりますし、この曲をよく聴いていた夏の、カッと晴れた空を思い出します。

 


椎名林檎『ここでキスして。』『罪と罰


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8月頃、ふとYoutubeで見かけた、YAMAHAのミュージック・クエストで、椎名林檎さんが『ここでキスして。』を歌っている動画にハマってしまいました。

はじめは、当大会のaikoさんの『ひまわりになったら』を聴いていただけでしたし、もともと椎名さんの曲には、あまり関心をもっていませんでした(すみません)。しかし、おすすめ動画に椎名さんの動画が何度も表示されるうちに、『少し見てみようかな・・・!』という気になり、観てみることにしました。すると、なんということでしょう!圧倒的な歌唱力、表現力、豊かな感情表現、そして、楽曲の多幸感に感動して、鳥肌と涙が止まらなくなってしまいました・・・!そして、幸せそうな雰囲気に包まれて、切ない歌詞を歌う椎名さんが可愛すぎる・・・!

 

初めて聴いた曲で涙が止まらなくなってしまうのは、初めての経験でした。

何処にだってあなた程のひとなんて居ないよ

この箇所について、「あなた程のひと」までは切なそうな表情と声で歌っているのに対し、「居ないよ」の部分は、可愛らしい表情と声で歌っています。このギャップにやられました・・・!「あなたしかいない!」とは思っているけれども、そのことをあまり重たくなりすぎないように伝えよう、という可愛い乙女心を感じてしまいました。

 

また、

現代のシド・ヴィシャス

手錠かけられるのは只あたしだけ

の箇所について、シドヴィシャス~と歌うときに少し照れくさそうにしているのもまた、かわいすぎます。きっと、まさにそのときの椎名さんが抱いていた感情をリアルタイムで歌っているのだろうな、と思います。

 

 

私が初めに聴いたのは、正式にリリースされる前のバージョンのものだったので、今度は、リリースされたバージョンの方も聴きました。こちらは、長年募らせてきた想いを抱いている、少し重ためな感じ(服装や曲調の雰囲気を踏まえて)がします。二つは同じ曲ではありますが、アレンジが全く異なるので、全く別の曲であるような感じがします!

 

『ここでキスして。』を聴いていくと同時に、他の椎名さんの曲も聴くようになりました。そのなかで、一番ハマった曲が、『罪と罰』です。


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叫んで掠れた声と甘い声が織り交ぜられた歌い方がとにかく好きです!

曲の雰囲気も良いですね!途中から入る、ずっしりと重たく、悲しく響くギターの音が、なんともしびれます・・・。すなわち、「頬を刺す~捨てる」の部分は、音がなく、声だけで魅せてきます。そして、それに続いて、「今日も~甘やかす」の部分は、悲しげな雰囲気を醸し出すギターの音が響き渡るのですが、この流れが最高です!

 

また、詳しい音楽理論は分からないのですが、曲の流れやコード進行が気持ちよくて、くせになります。超個人的な感覚ですが、「頬を刺す~」が、「タテ」に斬るような音の感覚を感じさせ、「不穏な~」が「ヨコ」に流れるような音の感覚を感じさせてくれます。これが、たまりません!

 


大塚愛ロケットスニーカー


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今年の上半期は辛いことがとにかく多い時期で、精神的にぐったりとしてしまっていたのですが、10月頃からは、少し突破口が見えたような感じがする出来事があって、元気を少しずつ取り戻していくような感じがありました。そのような頃によく聴いていた曲です。

 

昔から大塚愛さんの曲は、何曲かよく聴いていたのですが(一番のお気に入りは、『桃ノ花ビラ』です)、有名だけど私が一度も聴いたことがない曲がありました。それが、この『ロケットスニーカー』です。大塚愛さんが17周年記念の動画でこの曲を歌っていたのを思い出して、聴いてみようと思いました。


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PEACH』や『スマイリー』『恋愛写真』などといった曲と、声の雰囲気が変わっていて、それが個人的にハマるポイントでした。それまでの大塚さんの声も、甘くて、可愛らしくて、切なくて好きだったのですが、この『ロケットスニーカー』での、くるくる七色に変わる、伸びやかで鮮やかな歌声も好きです。

 

好きなもの増やして

好きな景色を見ている

この歌詞にかなり背中を押されました。

この曲全体を通して、軽やかではねるようなピアノの音色がとても綺麗で、凄く好きです。聴くだけで、元気になれる一曲です。

 

 

 

aiko『二人の形』『くちびる』

今年、個人的に「リバイバルヒット」したのが、aikoさんの曲でした。

昔よく聴いていた『桜の木の下』を、ウォークマンに入れて、改めてじっくりと聴いてみたことが、そのきっかけとなりました。

 

『二人の形』については、こちらの記事をご覧いただけますと幸いです。

wantetsu.hatenablog.com

 

 

『桜の木の下』以外にも、いろいろな曲を聴いてみたい!と思った私は、家にあったアルバム『時のシルエット』と『秘密』をとにかく聴きあさりました笑

すると、『くちびる』という曲が、やたらと耳心地がよく、すっかりお気に入りの一曲となりました(なぜ「やたらと」耳心地が良かったのかというと、この曲を昔、車の中で何度も何度も聴いたことがあったからです笑)。


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こちらの曲も改めてしっかりと聴いてみると、凄さを感じました。

独特のテンポ感(ゆったりとしているのに、しっかりと小刻みにリズムにのれる感じ)や、サビでの印象的なストリングスの美しさはもちろん、ひとつひとつの音が「気持ち」に絡みつくような心地よさを感じ、本当に凄い曲だなと思いました。

 

 

爽やかな朝らしい曲だなぁと思っていたら、この曲は、『スッキリ!!』のテーマソングとなっていたそうで、深く納得しました笑

 

 

KANA-BOON『1.2. step to you』『ウォーリーヒーロー』

公共図書館に足繁く通っていた時期があるのですが、ある日、CD棚を眺めていたところ、KANA-BOONのベスト盤が目に入ったので、なんとなく借りてみました。

 

KANA-BOONといえば、私の中高時代の青春の思い出バンドという感じです。当時、周りですごくはやっていて、私も『盛者必衰の理、お断り』が好きでした。

 

ふと借りてみたベスト盤を聴いてみると、鳥肌が立つほどかっこいい曲に出会いました。それが、『1.2. step to you』です。


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この曲は、ギターがめちゃくちゃかっこいいんです!リズミカルで、はねるような音が、少し余韻を残しながら響くイントロは、唯一無二だと思います!

また、間奏のギターが、もうどうしようもないほどかっこいいんです・・・聴くたびに鳥肌が止まりません!間奏にジャカジャカかき鳴らしているというよりかは、むしろ、言葉なしに感情を突き動かしてくる、という感じです。意味不明ですみません笑。あの勢いのあるギターの音を聴くと、自分の心臓をわしづかみにされて、ぐわんぐわんと動かされているような感じがするのです。それくらいの力強さと、扇情性(?)を兼ね備えた、希有な間奏だと思います。

 

 

他にも、『ウォーリーヒーロー』の曲のかっこよさにしびれました・・・。


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最初は曲だけ聴いていて、それだけでもう『かっこいい!』と思っていたのですが(とりわけ、イントロの切れ味の良いバッキングが、たまりません!)、MVも観たら、もうすっかりこの曲の虜になってしまいました。

サビのシーンは、是非多くの方に観て頂きたいです。曲のトガッたかっこよさと、演出の巧妙さとが合わさって、唯一無二の世界観を演出しています。このシーンを観たときには、鳥肌と謎の汗がたくさん出ました・・・笑。

 

 

⑩爆弾ジョニー『ステキ世界』

今年の秋頃、ふと『そういえば、昔ジャパンカウントダウンのEDで使われていた『なあ~んにも』を聴きたいな』と思ったことが、事の発端でした。ちなみに、2012年から2014年のJAPAN COUNTDOWNは、私の青春の「バイブル」でした笑。

 

YouTubeで『なあ~んにも』を聴いて、他にどんな曲があるんだろう?と思って色々と聴いてみると、すごくしっくりと、そして、じーんとくる曲があり、それが『ステキ世界』でした。


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夜に聴きたくなるような、おしゃれで大人っぽい曲調が良いです。爆弾ジョニーの音楽性の幅の広さを実感します。

 

この曲の歌詞がとにかく好きです。

象の鼻は長い キリンの首も長い 当たり前のことは大事

夜はとても暗い 冬はとても寒い そんなイメージをいつも

「当たり前のことは大事」というフレーズが、深く心に響きました。いつかこのブログでこの曲について色々と書いてみたいので、あまりくわしくは書きませんが、私のなかで色々と価値観が転倒してしまっていることが多くて、私は、どんどん自分をおとしめるようになり、そして、世間ズレしていっていると感じていました。それは、私自身のせいでもあるのですが、周りの環境がそうさせていったともいえます。そういう自分に対して悩んでいるときに、この曲に出会い、この曲が『当たり前のことを当たり前として認識して良いんだ・・・!』と思えるきっかけとなりました。

 

当たり前のことを当たり前のこととしてのイメージをもたなければ、物事を客観的に、冷静に認識することができなくなりますし、自分の「偏見」をあらゆる物事に挟み込むことになってしまいます。当たり前のことを当たり前のこととして捉えること自体、当たり前なのかもしれませんが、それができなくなってしまっている人は、少なからず居ると思います。そういう方達に是非聴いて欲しい曲です。

 

ちなみに、爆弾ジョニーは、今年の10月をもって解散してしまったということで、非常に残念です。

 

 

The Telephones『Don't Stop The Move, Keep On Dancing!!!』

テレフォンズは、『Keep Your Disco!!!』をきっかけに知りました。2013年頃(この曲の発売当時)だったかと思います。クセになるサビと、どこか懐かしくて面白いMVが大好きです。

 

私は、その曲しか知らずに数年を過ごしてしまいました。無期限活動休止に入ったということ、そして、最近になってまた活動再開したということは、なんとなく知っていました(なんでだろう?)。

 

 

そして、今年になって急に、ふと『テレフォンズの曲を聴きたいな~』と思うようになり、色々とYouTubeで聴きました。どの曲も好きなんですが・・・1日に1回聴くくらい猛烈に好きになった曲が、『Don't Stop The Move, Keep On Dancing!!!』です。


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まず、MVがめちゃくちゃ好きです。ドタイプです笑 そして、中毒性が高すぎです。このような、80年代を意識したMV、大好きです。皆さんかっこいいですし(この時代のメンズメイクが大好き)、石毛さんの動き(1:16あたり)がセクシーで好きです。個人的に、ベースの長島さんがかわいくて好きです笑。さらに、4人のメンバーが真顔で、サムネにあるように並んで歌っているシーンもまた好きです。4人並ぶと、なんだかかっこよくないですか!?

 

次に、曲全体が好きです。イントロのシンセは、一度聴いただけで耳に染みついてしまうほどの中毒性を有しています。また、3度あるサビは、それぞれ雰囲気が違っていて、聴いていてまったく飽きが来ません。ベースのリズムもかっこいいですし、自然と体を揺らしたくなってしまいます。

 

個人的に好きな歌詞は、

Ah ah

Welcome back my devil

Let's stay up all night

And get out from me

の部分です。これから徹夜するときには、このフレーズを常に頭に思い浮かびそうです笑。ちなみに、最後の"me"が、すごい高音で歌われているのですが、これがまたクセになる感じで、とても好きです。突き抜けるようなハイトーンボイスが本当に素敵です。真顔で4人のメンバーがこの"me"を発音しているシーンもまた好きです。

 

「好きです」を連発してしまいました・・・笑 それくらい、この曲については、とくに好きポイントが多いです笑

 

The telephonesのその他の曲についても、また後日記事にできたらと思います。例えば、MVのすごさについて、などのテーマで書けたらと思います。なぜなら、このバンドのMVは、特にすごいからです!私がこれまで聴いてきたアーティストのなかで、最もすごい(面白い・凝っている)MVを作るアーティストだと思います。

 

 

堂島孝平『世界は僕のもの』

詳しいことは、後日、また記事にできたらと思うのですが・・・これがもう・・・2022年最後にして、最高の「出会い」だったなと思います。それと同時に、もう既に10ウン年も音楽ファンをやっているのに、どうして堂島さんの魅力に気づかなかったんだろう・・・と自分を責めたくなっています。

 

サントリー「トリス」のCMで使われている『葛飾ラプソティー』を聴いて、堂島孝平さんにたどり着き(昔、アニメ『こち亀』は観ていて、この曲のことも知っていましたが、この曲を作ったアーティストのことは全く知りませんでした)、Youtubeでいろいろと観てみたところ・・・

うわぁあああああああ!!!!なんだこれ「好き」!!!

となってしまいました笑

 

 

いろいろと観た中で、最初にハマった曲が、『世界は僕のもの』でした。


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90年代の空気感、キラキラ感、堂島さんの声の甘さ、メロディーの軽やかさと美しさ・・・もはや個人的に好きな要素しかない、好きな要素だけを詰め込んだような曲です。そして、堂島さんかわいい!!!

 

今、私のなかで大ブームが来ています・・・来年、私の2023年は、堂島さんの曲から始まるような気がします。

 

 

・・・・・・

 

以上、私が2022年にハマった音楽をご紹介しました。

記事を書いていて気づいたのですが、今年は、YouTubeでいろいろと聴きあさって、好きな曲にたどり着いてしまうというパターンが非常に多かったように思います。YouTubeは、なんやかんや偉大なプラットフォームだなぁと思います。音楽サブスクがはやる理由もわかる気がします。

 

2023年も、いろいろな音楽に出会えるような気がして、とても楽しみです。

ちなみに、1月25日には、藤巻亮太さんの新アルバム『Sunshine』が発売されるとのことで、非常に楽しみにしています。

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既にトレーラーが解禁されているようですが、私は、このアルバムを手にするまでは、我慢します!!そして、CDプレーヤーに入れて、初めて聴くそのときを楽しみにしています!!!笑

アルバム曲が楽しみであることはもちろんのこと、これまで配信ライブでしか聴いたことのなかった曲が、音源となって、どのような感じになるのかということが楽しみで仕方ありません!

 

 

それでは、みなさま、良いお年をお迎えください!

そして、2023年のわんわん電鉄も、よろしくお願い申し上げます!