わんわん電鉄

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スピッツ『インディゴ地平線』収録曲の季節感【前編】

タイトルにある通り、スピッツインディゴ地平線』(アルバム)の季節感について考えてみたいと思います。

インディゴ地平線

インディゴ地平線

私がこのアルバムに出会った季節は、冬です。だから勝手にあらゆる収録曲を、冬っぽい曲だと思っていたのですが、どうやら世間では夏っぽい曲が多いとされているようです。



そこで、1曲ずつ考察してみることにしました。


まず、私の中の季節感を決める観点は、以下の通りです。
①曲調 ②ギターの音 ③テンポ 

それぞれの曲を、この3点について比較し、個人的な主観によって、季節感を決めていきたいと思います。


まず、【前編】として、4曲を取り上げます。

①花泥棒

この曲は、ギターの音は割と歪んでいて、スピッツの中でも割と異色なパンクな曲です。
ギターのメロディと、歌声のメロディがぴったり合わさっていて(Aメロ)、癖になります。
この曲は、曲調は軽快ですし、テンポも速いので、夏っぽい、ということで良いのではないでしょうか。

②初恋クレイジー

この曲は、個人的には、このアルバムの中で1、2を争うほど好きです。最初に聴いたときは、「なぜこの曲を好きな人はたくさんいるんだろう…」と思いましたが、聴いていくうちにどんどん好きになりました。サビの終わりの部分が、マイナーコードになっていて、なんとなく物悲しいというか、少し寂しい感じがするのが、なんとなく好みなのです。

イントロのピアノは爽やかで、曲調も穏やかで、とても落ち着いています。ギターの音も、そんなに主張が強くなく、1番から2番に進むときのアクセントになっています。
Cメロの、ぽわわ~んとした雰囲気から、なんとなく冬っぽく感じます。音の数もそこまで多くありませんから、静かな冬、という感じがしています。テンポもそんなに速くありませんからね。

インディゴ地平線

このアルバムの中で、1番好きな曲です。
結論から述べますと、この曲は、冬の曲だと思います。
まず、ギターの歪みが大きいですが、それがベースの音と合わさって、重苦しい感じを出しています。そして、この重苦しい感じが、冬の、静かな中に響く暖房の機械音と似ている気がするのです。(私だけかもしれません)この、自分では抱えきれないくらいの、曲全体の重さというのが、冬に聴きたくなる原因なのだと思います。テンポもゆったりしていて、聴いているとなんだか眠くなっちゃいます。冬の、静かな朝に聴いていたいな、と思います。


スピッツ / インディゴ地平線

④渚

圧倒的に、夏ですね。歌詞の内容からして、異論はないと思います。イントロ(アルバムバージョン)も、海に潜ってモコモコしているようなイメージがありますし、ギターもシャリシャリしていて夏っぽいですし、曲調も爽やか、キラキラ~という感じです。『幻よ 醒めないで』の、「で~」の声が、儚く消えていくような感じがして、マサムネさんはさすがだな~と聴くたびに思います。


スピッツ / 渚




今回の【前編】では、アルバムの最初の4曲を取り上げました。
次回は、おそらく【中編】として、次の4曲を取り上げると思われます。