わんわん電鉄

好きな音楽は、鉄道の路線網のように広がっていくものだと思う

【私の好きな10曲】WANDS(第1期〜第2期)

私が好きな、第1期~2期のWANDSの曲、10曲をご紹介したいと思います。10曲もあるので、簡潔に選曲の理由と曲の感想を綴っていきます。

 

 


①孤独へのTARGET(アルバム『時の扉』に収録) 

時の扉

時の扉

  • アーティスト:WANDS
  • 発売日: 1994/02/02
  • メディア: CD
 

キーボードの音(電子音)?で構成されたイントロが、特徴的で凄く好きです。溢れ出る90年代感という感じですね。流れるようなAメロから、細かく跳ねるようなBメロ、イントロと同じ特徴的なメロディーを挟んで、どーんとサビが来るという分かりやすい構成なんですが、私は非常に新鮮に感じました。

 


コード進行がとにかく気持ちよくて、しかも曲調には懐かしさを感じる面もあります。とくに好きな箇所は、「孤独への TARGET」の部分のコード進行(Esus4→E)です。

 

ため息こぼしても 傷ついても悔やめない

ここの歌詞が非常に切ないですね。歌詞全体の意味を完全に理解することは出来ていませんが、今はないもの(亡くなったとか、失ったとか?)に対する強い想いや悔しさを歌っているような気がします。

 

実際に起こってしまったこと(=実際に失ってしまったという現実が起こってしまった)については、どんなふうにしても悔やみようがないという気持ちに共感して聴いています。やり場のない悔しさ、みたいなニュアンスで私は解釈しています。

 

 


②ガラスの心で(アルバム『時の扉』収録)


アルバム『時の扉』では、『時の扉』や『このまま君だけを奪い去りたい』などが注目されがちですが、他にも名曲揃いのアルバムで、名盤中の名盤だと想います。


この曲も、電子音が印象的なフレーズを創り出しています。

ビの部分の「Oh No」の音程に合わせた音の組み合わせや、Bメロとサビの間のフレーズは、一度聴いたら耳から離れないと思います。やっぱりサビの前に、なにかワンフレーズが入ると、サビがグッと引き締まりますよね。

 


この曲の一番好きな部分は、アウトロ部分です。万年筆の線のように細く太く、流れるようなギターの音に、上杉さんの声が相まって、不思議な感じになっています。曲の奥行きが広がるような感じがして、すごく好きなんです。


私の一番好きな歌詞は、

「孤独」という自由の中で
何が僕に出来る? 誰か教えてよ
手を取り 涙 見せ合えるほど
そんな仲間さえも 取るに足りない思い出

この部分です。まず、孤独=自由と捉えているところが興味深いです。これには、竹内まりやさんの『幸せのものさし』でいう「自由と孤独はふたつでセット」に通ずるものを感じます。 

幸せのものさし

幸せのものさし

  • provided courtesy of iTunes

 誰にも拘束されない、例えばめんどくさい友達づきあいもない、という点から自由を考えると、こういう図式になると思います。

 



そして、「手を取り~そんな仲間」を、「取るに足りない思い出」と捉えているところも興味深いですね。このような仲間というのは、理想的な仲間と言うことが出来そうですが、このような仲間とのことを、取りあげる価値のない思い出であると言っています。

 

ここから、個人的な主観ではありますが、今や孤独になってしまった主人公の捻くれた感情を感じます。そういったキラキラした友情に対して反発し、これを皮肉っている感じがしますね。
私は、比較的この主人公の立場に近い人間なので、非常に共感してしまいます。

 


『ガラスの心で』というタイトルなのですから、主人公は傷つきやすく、孤独な人なんだろうなと思いました。

 

 


③星のない空の下で(アルバム『時の扉』収録)

星のない空の下で

星のない空の下で

この曲のイントロもまた最高ですよね。シンセのまっすぐな1本の音が静かな夜を、もう一つの細かな音が、星の輝きを表しているような気がします。

 


平らで固い大地を、天を仰ぎながら歩くような広がりがあるAメロが、凄く好きです。先程までに挙げた2曲もAメロが素晴らしくて好きなんですよね。
この曲は、ゆったりとしているので、上杉さんの伸びの良い素晴らしい歌声を堪能することが出来る曲です。


私の中で一番印象的な歌詞は、

キズつき急ぎすぎた アイツに
『さよなら』の言葉も届かない

 ここの部分です。この曲の背景は、ここの歌詞が説明していると言っても過言ではないかなと思います。

 

主人公は大事な友人(=「アイツ」)を亡くしたのだと思います。その友人は、いろいろと傷つくことがあって、死を「急ぎすぎ」てしまったのかなと推測しています。そんな友人へ、主人公は「『さよなら』」と言いたくても伝えられないという、もどかしさを感じているのかなと思いました。

 


この曲を聴くと、自然と『強く生きなきゃなぁ・・・』と感じます。大学入学の4月によく聴いていたので、個人的に思い出深い1曲です。

 



④Just a Lonely Boy(アルバム『WANDS SINGLES COLLECTION+6』収録)

Just a Lonely Boy

Just a Lonely Boy

 イントロの電子音の「ジャン!」の、少し懐かしい感じがまた良いですよね。その後からムズムズするような感じで、ギターが入ってくるのも好きです。

 

 

Aメロは落ち着いていて、音数もシンプルなために、女性の笑い声や男性の咳払いなどがアクセントになっています。

私はBメロの、ぱぁっと広がる感じ(「ふたまた 三また」のあたり)がすごく好きです。

 

 

この曲は歌詞が可愛らしいですよね。二人の仲を引き裂き、あわよくば女性を自分のモノにしたいと思う主人公の気持ちが描かれています。

横目でチラリチラリとチャンスをうかがい

熱い想い ぶつける その時を 待ちわびてたのに

私が好きな部分はここですね。主人公が健気で可愛らしく感じられます。

 

 

この曲のアウトロになっている部分、

(Just a Lonely BoyLonely Boy...)

この部分の歌い方や、声があっち行ったりこっち行ったりする感じが、すごく不思議な感じがして好きです。上杉さんが高音~低音を滑らかに歌い上げています!さすがですよね!

 

 

 

 

⑤Jumpin' Jack Boy(アルバム『WANDS SINGLES COLLECTION +6』等に収録)

Jumpin' Jack Boy

Jumpin' Jack Boy

)

イントロからスピード感があって、まるで車で夜道を駆けていくよ うな感じがしますね。そこから続くAメロも、 歌詞と相まってすごくかっこいいんです!

真夜中 サビた 香り
感じて 見下ろした街は
まるで宝石のように

やっぱり静かな夜道の雰囲気をまとっている曲なんだなと再認識さ せられます。夜景のことを「宝石のように」と表現するなんて、な んだかロマンチックですね。夜景はそれくらいキラキラしたもので すよね。

 


一気に爆発するように盛り上がるサビは、やっぱりすごくかっこいいですね!

I'm Just a Jumpin' Jack Boy?
ねぇ そのまま イかせて
身も心も キミだけを求め

この部分が最初は「エロっ!」とか思ったんですけど、後々色んな WANDSのインタビューを読んでいくうちに、上杉さんが本当に やりたいことをやらせてくれ、という強い願望を表している歌詞なんじゃないかなと思い始めました。

 

サビの最後の電子音がまたアクセントになっていて、しっかり引き締まっています。

 


この曲は、アルバム『PIECE OF MY SOUL』に別バージョン(打ち込みではない、ロックな感じ) が収録されています。私としては、打ち込み多用バージョン、つま り最初に発表されたバージョンの方が好きです。

 

 

 

 

⑥『Love&Hate』(アルバム『PIECE OF MY SOUL』収録)

PIECE OF MY SOUL

PIECE OF MY SOUL

  • アーティスト:WANDS
  • 発売日: 1995/04/24
  • メディア: CD
 

この曲は、曲調はこれまでのWANDSらしいのですが、歌詞には 上杉さんのいろいろな思いや苦悩、反発が現れているような気がし ます。

 

そもそもこの曲は、このアルバムの中では少し異質な感じがします。この曲が“これまでのWANDSらしい”のに対して、他の曲はラウンジ色の強い曲調のものばかりだからです。

 

 

個人的な憶測ですが、“これまでのWANDSらしい”曲調にしたのも、それを皮肉るためという感じがするのですがどうなんでしょ うね。

 

 

ただ、私はこの曲の曲調が凄く好きです。ポップさの中で、鋭く力強いギターサウンドがしっかりとした存在感を放っているので、 上手い具合にポップとロックが溶け合ってますよね。

 

 

サビのコード進行とか、キラキラ感が好きですね。特に好きな部分 は、

好きになれなきゃ きっと

の部分なんですが、ここのコード進行は、
F G G#dim Am (Capo1)
となっているそうです。やっぱりG#dimが効いてるんですかね 。

 


冒頭の歌詞である

ダイヤもルビーもポルシェもベンツも
ブランドの服も どうでもいい

この部分なんて、みんなが好きなものでも俺は嫌いなんだ!という 、一匹狼感が溢れ出ていますね。衝撃的な歌詞でした。

 

 

 

 

⑦もう自分しか愛せない(アルバム『WANDS』収録)

もう 自分しか愛せない

もう 自分しか愛せない

冒頭から

もう 自分しか愛せない

と始まるので、強烈なインパクトがありますね。

 

 

歌詞の強烈さや、ギターのリフのかっこよさとか・・・とにかく攻 めてるなって感じがして、すごく良いですよね。

特に私が好きな部分は、「もう自分しか愛せない」に続いて、呼応するようにギター がくるところです。(「強がりだけでから回りのChance」 に添ったメロディーで)歌声とギターの息がピッタリで、 本当にカッコイイですよね!

 

 

 

私が一番好きな歌詞は、やっぱり

もう 自分しか愛せない 強がりだけでから回りのChance
もう 自分しか愛せない 誰よりもただ痛みをおそれたなら・・・

この部分ですね。
前半部分は、やっぱりリズムの良さというか、語感が良いですよね 。
後半部分は、共感しまくりです。誰かを愛して傷つくくらいなら、 もう自分しか愛することは出来ないということだと思います。

 


この曲の主人公が、誰かに傷つけられた経験があるということは、

一夜の夢に酔いしれて
気がつけば 傷だらけのHeart

この部分から分かりますね。

 

 

また、この曲のCメロ?部分である、

All Night Long
耐えきれない 一人きりに
怯えて 夜明けまで
ずっと 光をともして

ここも良いですよね。すごくセクシーに歌い上げられていて(特に 冒頭の英語部分)、聴き手もドキッとしてしまいます。

これまでどんどん攻めている感じだったので、ここの部分は一息つくみたいな 感じの役割があるのかもしれません。夜中に冷静になって、自分の孤独さと向き合っている主人公を想像できますね。

 

 

 

 

⑧Cloudy Sky(アルバム『WANDS』収録)

Cloudy Sky

Cloudy Sky

この曲の聴き所は、なんといってもイントロです!最初にこの曲を 聴いたときには、ハッとさせられました。

「ピッピッピピッピーッ ピッ」みたいな、独特で、強烈で、インパクト大で、1回聴いただ けで耳に残るようなメロディーを考えつくなんて、本当にすごいな と思いました。

 


Aメロは、静かな、少しどんよりとした感じで、Bメロのわくわく 感を通じて、サビでぱぁっと晴れるような展開になっています。 特に、Bメロのリズミカルな感じ、 テンポがすごく心地よくて好きです。

 

サビで歌声の音程に合わせて、キーボードのが鳴っているのも、綺麗ですし歌声に勢いがつくような感じがして好きです。

 

 

 

 

⑨WORST CRIME~About a rock star who was a swindler~(アルバム『BEST OF WANDS HISTORY (Best of Wands History)』)

この曲は、歌詞に表れている主人公の心情が、私の心情にぴったり合っていて、深く考えることなしには聴けない曲です。

 

 

特に好きな歌詞は・・・と取りあげるとしたら、沢山あってしょう がないのですが、

輝けるものだけ追い求めて
ここまで来たのに So Crying
夢ならさめてくれ 夢か嘘かも
曖昧なんて Worst Crime Worst Crime Worst Crime

 

汚れなきものだけ 探しながら
汚れてしまうこの Mind
清らかな嘘なら 許されるの?
すでに僕には Worst Crime Worst Crime Worst Crime

このサビの歌詞が凄く好きです。
私には昔、めちゃくちゃ大きな挫折をしたことがあって、その時に この曲を知って、『まさにこういうこと!』と強く共感したことを 覚えています。


特に「汚れなき~このMind」の部分については、私が挫折した当時の環境を歌っているようでした。ここまで鋭い歌詞が書ける上杉さ んはすごいなぁと思います。

 


サビの中盤までは、流れるように進んでいくのですが、終盤は音数が増えたからなのか、勢いがついて、まるで自分のしてきたことや 今の自分の状態を、「うわ-!!!」と悔やんでいるような感じがするんですよね。あくまでも個人的な感覚ですが・・・。

 

 

 

 

⑩君に戻れない(アルバム『Little Bit...』収録)

Little Bit・・・

Little Bit・・・

  • アーティスト:WANDS
  • 発売日: 1994/04/01
  • メディア: CD
 

イントロの突き刺すような力強いギューンとした、ギターの音がすごく好きです!その後もリズミカルな跳ねるようなギターの音が続 いていきますが、 この曲はイントロがずば抜けてかっこいいんですよね!

 

 

めちゃくちゃかっこいいイントロの勢いそのままに、Aメロもスピ ード感があって、すごくかっこいいです。ベースとなっているリズ ムが効いているのかなと考えています。


Bメロのメロディアスな感じ?が、サビに向かって素晴らしい接続の役割を果たしているなと思います。

 


サビのキーボードの音?がまた強烈ですよね。「いつも」の音程と 同じだと思うのですが、だからこそ、先程取りあげた曲と同様に勢いがついて、ますますかっこよくなっています。

 


私が特に好きな歌詞は、

いつも走り続けてた
この夢に 手をのばして
そして見失っていた
安らぎという名の愛
もう・・・君に戻れない

このサビの部分です。

主人公は自分の夢を叶えるために一生懸命に なるあまり、独りよがりになりすぎて、恋人に甘える(= 安らぎを得る)ということが出来なくなっていたんだろうな・・・ と想像してしまいました。これこそ、現代の社会人にとって“わかりみの深い”歌詞だと思います。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

以上、私が好きなWANDS(第1期~第2期)の10曲をご紹介しました。

 

やっぱり、WANDSの曲はどの曲もカッコイイんですよね!!ギターがめちゃくちゃ好きで、力強くて、うねるような感じ、そして聴き手の感情に訴えかけてくるような感情的な音がとにかく好きで……語彙力が無くてこれ以上説明できませんが、とにかく好きです!

 

 

最近は、WANDS第5期が活動再開して、盛り上がっていますね!昔WANDSファンだった方も、またCDを取り出して聴いてみる機会が増えるのではないかなと思います。

 

上原さんの加入によって、若い世代のファンが増えて、昔のWANDSの曲も聴いてみよう!なんて風になるのかなぁ……と思うと、微笑ましいです!