わんわん電鉄

好きな音楽は、鉄道の路線網のように広がっていくものだと思う

ロックバンドと「かわいた風」

まともに本ブログを更新したのは、2020年12月31日が最後ということで・・・もう7ヶ月も経ってしまいました。更新できていないのに、このブログに訪れてくださる方がいらっしゃること、心より感謝いたします。いつもありがとうございます。

 

本記事を2周年記念記事と位置づけ、公開致します。

 

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というわけで、久しぶりの更新となる今回は、ロックバンドの曲には、「かわいた風」という言葉が多用されることについて、少し考えてみたいと思います。

 

日本の2大「かわいた風」ソング

日本には、「乾いた風」で非常に有名な曲が2曲ありますね。

まず1曲目です。

①L'Arc-en-Ciel『HONEY』(1998年)

youtu.be 

HONEY

HONEY

  • L'Arc〜en〜Ciel
  • ロック
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes

かわいた風をからませ 

あなたを連れてくのさ

 

ロックな曲調とは裏腹に、やさしいイメージをもつ平仮名で「かわいた風」と言っているんですね。意外です。

しかし、「かわいた風」それ自体には、なんとなくかたくて、力強いイメージがあります。そのような風で「あなた」を巻き取って、つれさらっていってしまおうということなのでしょうか。

 

 

BOOWYの『B・BLUE』(1986年) 

B・BLUE

B・BLUE

  • provided courtesy of iTunes

乾いた風にかき消されて

最後の声も聞こえない

 

この曲での「乾いた風」は、前後の歌詞を踏まえると、人の声をかき消すほどに強い風で、寂しさや孤独感を運んでくる風なのでしょうね。また、「歪んでく街並みも色あせて」と続くことから、「街」から色(鮮やかさ)を奪っていく存在でもあるように思います。

 

 

その他、有名な「かわいた風」ソング

男闘呼組『DAYBREAK』(1988年)

貼り付けできるような、公式の動画や商品紹介がありませんでした・・・。

 

渇いた

風を殴り 迎えに来たぜ!

曲の一発目が「渇いた」とは、結構珍しい曲だなと思います。

歌詞から察するに、殴れるほどにかたくて強い「風」であるのでしょう。先ほどまでの曲から分かるように、「かわいた風」は、強さやら、かたさやらを感じさせるものではありますが、殴る対象にもなるようです。

自分自身の強さの引き合いに出せるモノであることが分かります。

 

 

BAAD『愛したい愛せない』(1994年)

こちらの曲も、貼り付けられるような公式の動画や商品紹介がありませんでした・・・。

 

Rainy night 乾いたドアの音が響く

この曲は、これまでご紹介した曲とは違い、人に対して風がある、という関係性をもつ風ではなく、物の音としての風です。

「乾いたドアの音」というと、どこかつっけんどんな、とがった感じの音をイメージします。曲の趣旨に沿って考えてみれば、自分に愛想を尽かした「君」が、バタン!とドアを閉めて出て行く様子と、その音を表現していると思います。どこか無機質な、無愛想な感じがしますね。

 

 

⑤PRESENCE『乾いた風の中で』 (1989年)

 こちらのアルバムに収録されています。

 

乾いた風の中 今は何を思う

季節は色を変えてゆくけど

こちらの「乾いた風」は、主人公が置かれている環境を表現するものですね。「季節は・・・」のくだりを見ると、この「乾いた風」は、諸行無常を表現しているように思います。このような「乾いた風」の中で、主人公は孤独感を感じたり、自分の周りの世界のめまぐるしい変化(といわないまでも、移ろいやすさ)を感じたりしているのだと思います。

 

 

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以上が、私が知っている日本のロックバンドの「かわいた風」ソングです。

5曲の紹介を通じて、「かわいた風」は、

・孤独感

・無機質さ

・強さ

・かたさ

を感じさせる言葉であるということが分かったような気がします。ロックと、以上のような言葉との相性は、相当良いものであると思います。「かわいた風」精神は、ロックに必要な要素であるようにも思います。

今後も「かわいた風」ソングを見つけ次第、追記していきたいと思います。