まともに本ブログを更新したのは、2020年12月31日が最後ということで・・・もう7ヶ月も経ってしまいました。更新できていないのに、このブログに訪れてくださる方がいらっしゃること、心より感謝いたします。いつもありがとうございます。
本記事を2周年記念記事と位置づけ、公開致します。
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というわけで、久しぶりの更新となる今回は、ロックバンドの曲には、「かわいた風」という言葉が多用されることについて、少し考えてみたいと思います。
日本の2大「かわいた風」ソング
日本には、「乾いた風」で非常に有名な曲が2曲ありますね。
まず1曲目です。
①L'Arc-en-Ciel『HONEY』(1998年)
かわいた風をからませ
あなたを連れてくのさ
ロックな曲調とは裏腹に、やさしいイメージをもつ平仮名で「かわいた風」と言っているんですね。意外です。
しかし、「かわいた風」それ自体には、なんとなくかたくて、力強いイメージがあります。そのような風で「あなた」を巻き取って、つれさらっていってしまおうということなのでしょうか。
②BOOWYの『B・BLUE』(1986年)
乾いた風にかき消されて
最後の声も聞こえない
この曲での「乾いた風」は、前後の歌詞を踏まえると、人の声をかき消すほどに強い風で、寂しさや孤独感を運んでくる風なのでしょうね。また、「歪んでく街並みも色あせて」と続くことから、「街」から色(鮮やかさ)を奪っていく存在でもあるように思います。
その他、有名な「かわいた風」ソング
③男闘呼組『DAYBREAK』(1988年)
貼り付けできるような、公式の動画や商品紹介がありませんでした・・・。
渇いた
風を殴り 迎えに来たぜ!
曲の一発目が「渇いた」とは、結構珍しい曲だなと思います。
歌詞から察するに、殴れるほどにかたくて強い「風」であるのでしょう。先ほどまでの曲から分かるように、「かわいた風」は、強さやら、かたさやらを感じさせるものではありますが、殴る対象にもなるようです。
自分自身の強さの引き合いに出せるモノであることが分かります。
④BAAD『愛したい愛せない』(1994年)
こちらの曲も、貼り付けられるような公式の動画や商品紹介がありませんでした・・・。
Rainy night 乾いたドアの音が響く
この曲は、これまでご紹介した曲とは違い、人に対して風がある、という関係性をもつ風ではなく、物の音としての風です。
「乾いたドアの音」というと、どこかつっけんどんな、とがった感じの音をイメージします。曲の趣旨に沿って考えてみれば、自分に愛想を尽かした「君」が、バタン!とドアを閉めて出て行く様子と、その音を表現していると思います。どこか無機質な、無愛想な感じがしますね。
⑤PRESENCE『乾いた風の中で』 (1989年)
こちらのアルバムに収録されています。
乾いた風の中 今は何を思う
季節は色を変えてゆくけど
こちらの「乾いた風」は、主人公が置かれている環境を表現するものですね。「季節は・・・」のくだりを見ると、この「乾いた風」は、諸行無常を表現しているように思います。このような「乾いた風」の中で、主人公は孤独感を感じたり、自分の周りの世界のめまぐるしい変化(といわないまでも、移ろいやすさ)を感じたりしているのだと思います。
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以上が、私が知っている日本のロックバンドの「かわいた風」ソングです。
5曲の紹介を通じて、「かわいた風」は、
・孤独感
・無機質さ
・強さ
・かたさ
を感じさせる言葉であるということが分かったような気がします。ロックと、以上のような言葉との相性は、相当良いものであると思います。「かわいた風」精神は、ロックに必要な要素であるようにも思います。
今後も「かわいた風」ソングを見つけ次第、追記していきたいと思います。