わんわん電鉄

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【聴覚で感じる秋の訪れ】スピッツの秋を感じる曲

朝晩涼しくなってきて、夏の終わりを感じるようになってきました 。今年は梅雨が長く、本格的な夏の訪れが遅かったことから、夏が 短かったように思います。

 

「夏の終わり」というと、なんだか寂しく感じますね…。


この、なんだか物寂しい時期にこそ、聴きたくなる曲もあると思います。

 

そこで、今回はスピッツの曲の中で、曲調から秋の訪れを感じるような曲を、考察やレビューを交えて紹介したいと思います。

①夏が終わる 

夏が終わる

夏が終わる

定番中の定番ですね!

曲名からも分かるように、夏の終わり、まさに今の時期に聴きたくなる曲です。

 

イントロから、少し冷たい秋風が吹き抜けるような音が特徴的です。(ポーンポンポポーン…と鳴っている音)ストリングスとその 音が綺麗に融合していますね。

 

なんとなく、曲調が物寂しい感じがします。

 

コード進行を見る限り 、マイナーばっかり使われているわけではないのです。

 

Aメロには、メジャーセブンスのコードが多用されていますが、「ポヤーンとした、掴みどころのなさが出る」(http://lukenomura.arumonholdings.com/archives/1831)のが、コードの特徴なので、Aメロのぽわわわーんとした感じは、このコードが原因となっているのだと思います。

 

個人的に一番物寂しさを感じる部分として、

すりぬける

この部分なのですが、ここのコード進行が、Asus4→A なのです。不安定→安定(解決、と呼ぶそうです。)という感じです。

 

私には音楽の知識がなく、これ以上追求するのは難しいので、とりあえず音の旋律とストリングスも相まって、この曲調を作り出して いるという結論にしておきます。

ゴメンナサイ。

 

彼はもう 涼しげな 襟もとを すりぬける

『彼』とは、涼しい秋風のことなのでしょうか。

『もう』とあることから、以前は暑かったのでしょう。すると『彼』は、以前は夏、今は秋である、つまり季節の擬人化であると考えることも出来そうです。

 

『涼しげな襟もと 』とは、おそらく暑い夏に着るような夏服のことを指しているのだ と思います。すると、夏服の襟もとを、冷たい秋風が吹きぬける、 ということなのだと思います。

 

またひとつ夏が終わる 音も立てずに
暑すぎた夏が終わる 音も立てずに

夏が終わる時って、別に大きく何が変わるわけではないですよね 。ただ涼しくなるだけですもんね。そういうことを『音も立てずに』と表現しているのかなと思いました。


今年は、そこまで記録的な猛暑とはなりませんでしたから『暑すぎた夏』とは言えませんね(苦笑)


『また』とついていることから、この曲の主人公は毎年、夏が終わるときに「あ~夏が終わるなあ』と感じているのでしょう。

 

是非、今の時期に聴きたい名曲です。
(ちなみに、なんとなくこの曲の曲調から90年代感を感じるので すが、私だけでしょうか?)

 

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②魚

魚

この曲は、ファンの中でもとりわけ名曲と名高い曲です。
歌詞に秋っぽい歌詞があるわけではなく、『海』が多く出て来るので、なんとなく夏という感じもします。

 

しかし私としては、 イントロの綺麗な、流れるような、つながるような感じ、そして哀愁のある感じから秋っぽい曲だと考えています。


(私自身、この曲に出会ったのが秋だったので、秋っぽいと感じる という理由もあります。)

 

 

この曲のコード進行を見ると、やはりGsus4→Gという進行が割と使われていることがわかり、なんとなく不安定な感じがするのも分かる気がします。

 

また、この曲で一番不安定かつ哀愁を感じる部分がここです。

 

くり返す波の声 冷たい陽とさまよう
ふるえる肩を抱いて
どこにも戻らない

ここには、マイナーコードが多用されています。だから暗い感じが するのですね。
『くり返す~さまよう』の部分は、Fm7→C→Fm7→C→Fm 7となっています。

 

2つのコードをくり返すことで、歌詞の通り、 本当に波が行ったり来たりしているような感じがします。

 

また、この曲は、透き通っているような音が特徴的な曲ですが、それも曲の始まりがCadd9から始まるからかなと、思いました。

 

この曲は、曲調から哀愁と切なさをすごく感じますね。

 

私が一番好きな歌詞は、

恋人と 呼べる時間を 星砂ひとつに閉じ込めた

です。小さなものにギュッと詰めて、大切にしよう、という感じが 伝わってきます。

 

よく海に行った思い出とかに、星砂を瓶に詰めて飾ったりしますね。それを見て、思い出に浸るのも一興です。星砂は思い出として大事にとっておくもの、という印象があります。

星砂自体は、とても小さいものですから、そんな小さなものに閉じ込めるとは、ぎゅっと濃縮する感じですね。

 

・・・・・・

 

今回は、聴覚から秋を感じるような2曲をご紹介しました。


少しでも明るい気持ちで、秋を迎えられたら良いなと思います。